ビッグモーター、全件調査へ 社内調査諦め、第三者洗い直し

中古車販売大手ビッグモーターの店舗=19日、福岡県春日市

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題で、同社が期間を区切って過去にさかのぼり、車両修理の全件を調査することが22日、分かった。社内調査を諦め、第三者機関が洗い直す方向で検討している。社内調査では踏み込み不足になると懸念した損害保険会社が要求した。対象は数十万台規模に膨らむ可能性がある。

 国土交通省が26日にもビッグモーター側から聞き取り調査を行う方針であることが同省関係者への取材で判明した。

 全件調査は、ビッグモーターが共同通信の取材に認めた。ビッグモーターによると、修理件数は、同社に出向者を出していた損害保険ジャパンなど損保大手からあっせんされた車両の分だけで年間3万件に上る。ほかの損保なども含め、複数年が調査対象となる見通しだ。ビッグモーターの外部弁護士の調査報告書は、不正行為が少なくとも2018年ごろから続いていたとの見方を示している。

 調査は「アジャスター」と呼ばれる事故調査の専門家が独立した立場で行う案が出ている。

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