吉備中5人「力強い踊り見せる」 ダンスコンクール西日本に挑戦

曲に合わせてポーズを決める(左下から時計回りに)甲斐さん、藤井さん、西田さん、小林さん、小野田さん

 岡山市立吉備中1年の女子生徒有志5人でつくるダンスチームが、踊りの技能や表現力を競う全日本小中学生ダンスコンクール西日本大会(8月13、14日・神戸市)に挑む。ダンス好きな生徒同士が声をかけ合って自主的にエントリー。曲や振り付けは自分たちで考え「みんなで息を合わせて力強い踊りを見せたい」と意気込んでいる。

 メンバーは岡山市内の同じダンススタジオに週数回通う甲斐風花さん(12)、藤井紬さん(12)、西田汐里さん(13)、小林芽依さん(12)、小野田朱沙さん(13)でチーム名は「KIBIDAN」。アップテンポな曲調のAdo「踊」に乗せてヒップホップを2分半披露する。

 挑戦のきっかけは学校にダンス部がなかったこと。入学当初、甲斐さんと西田さんがダンス部創設を働きかけたが、教員数や活動スペースがネックとなり、かなっていない。甲斐さん以外はバドミントンや放送部にそれぞれ所属するものの「部活動として毎日、学校の友達とダンスをしたい」という思いを同じくして集まった。「大会で成績を残し、共感する生徒が増えてほしい」と願う。

 6月から放課後や休日に、ダンススタジオや公民館を借りて練習を重ね、動画審査を通過して大会出場の切符を獲得した。夏休み初日の20日は吉備公民館(同市北区庭瀬)で2時間、ジャンプや蹴りといった振り付けを教え合い、舞台での立ち位置を念入りに確認した。

 目標は上位賞の金賞。5人は「踊りを一緒に考えるのは楽しい。中学生活は短いので思い切り青春したい。表情で楽しさが伝われば」と意欲を燃やす。

校長エール「自由に活動を」

 吉備中は生徒943人(5月1日現在)が在籍する市内最大のマンモス校。部活は運動系と文化系の計15あり、前田敦子校長は「教員と活動場所を過不足なく割り当てている。現状では新しい部の開設は難しい」と言う。

 公立学校の部活運営を巡っては、地域団体や民間事業者に委ねる「地域移行」が国によって進められている。5人の挑戦について前田校長は「体育会や地域行事など発表の場はたくさんある。部活にとらわれず自由に活動してほしい」とエールを送り、校内でも披露の機会を設けるとしている。

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