なでしこジャパン(女子日本代表)は22日、ワイカト・スタジアム(ハミルトン)で行われたオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)グループC第1節でザンビア女子代表と対戦し、5-0の勝利で白星発進を飾った。
2011年のドイツ大会以来、3大会ぶり2度目のW杯制覇を目指すなでしこジャパン。池田太監督率いるチームは今大会のグループステージでザンビア、コスタリカ(26日)、スペイン(31日)と対戦し、上位2チームが決勝トーナメントに進出する。
初出場ザンビアとの初戦は14日に行われた壮行試合・女子パナマ代表戦と同じ11人がスタメン。GK山下杏也加、DFに石川璃音、キャプテンの熊谷紗希、南萌華。MFは清水梨紗、長谷川唯、長野風花、遠藤純。FWに藤野あおば、田中美南、宮澤ひなたという[3-4-3]の布陣となった。
前半は立ち上がりからなでしこのペース。6分、藤野の浮き球パスに抜け出した田中がボックス左からこの試合初シュートを放つも、バウンドをうまく処理できず大きく枠を外れる。
直後の7分にビッグチャンス。左サイドからのクロスをファーで清水が折り返すと、ゴール前で藤野がワントラップから右足を一閃する。だが、ザンビアGKカトリーヌ・ムソンダのビッグセーブに阻まれた。
さらに10分、長野の縦パスを受けた藤野が今度はゴールまで25メートルほどの距離から右足ミドル。アウト回転がかかったシュートは惜しくも右ポストに弾かれた。
21分にはFKのチャンスで遠藤がクロスを送り、ゴール前でこぼれたところを田中が右足で押し込んでネットを揺らす。しかし、VARチェックの結果、FKが蹴られた時点で田中の立ち位置がオフサイドだったとしてゴールは認められなかった。
その後はしばらく膠着した時間が続くも39分、背番号「10」長野がボックス手前の長谷川からバックパスを受け、ワントラップから右足ミドルを放つ。DFに当たってコースが変わった一撃はまたもGKムソンダのセーブに阻まれた。
なでしこ待望の先制点は43分。藤野が右サイドからグラウンダーのクロスを上げると、ゴール正面に走り込んで右足ダイレクトで合わせたのは宮澤。会心の一撃をネットに突き刺した。
1点リードで折り返した後半立ち上がりの49分、遠藤の低いアーリークロスに抜け出した田中が左足シュートをネットに突き刺すが、またしてもオフサイドの判定でゴールならず。
さらに直後の50分、藤野がボックス内でGKに倒され、PKを獲得するも、今度は藤野がスルーパスに抜け出した時点でオフサイドだったとして、VARオンリーレビューでPKが取り消される。
立て続けにVARに泣かされたなでしこだが、田中にようやくゴールが生まれる。55分、長谷川のスルーパスに抜け出した遠藤が左足でグラウンダーのラストパスをゴール前へ送ると、走り込んだ田中はスライディングで合わせてネットに突き刺した。
田中の三度目の正直でリードを広げたなでしこ。62分には右サイドでスローインを受けた田中がボックス右外の角度のない位置からゴール前へマイナスのパスを入れ、DFの視界の外から走り込んだ宮澤が右足ダイレクトで合わせてネットを揺らした。
さらに71分、ここまで左サイドから再三チャンスを作ってきた遠藤が今度は自らネットを揺らす。スルーパスに抜け出してGKムソンダとの一対一を迎えると、これを冷静に沈め、なでしこのリードはついに4点となった。
余裕を持ってゲームを進められるようになったなでしこは終盤に差し掛かる77分、遠藤と藤野を下げて清家貴子と猶本光を同時投入。池田監督は中3日で迎える第2節・コスタリカ女子代表戦を見据えた采配をとる。
終了間際の後半アディショナルタイム7分には途中出場の植木理子がボックス内でGKムソンダに倒され、PKを獲得。ムソンダが2枚目の警告で退場となったなか、自らキッカーを務めた植木は途中出場のGKユニス・サカラにセーブされる。
しかし、サカラがキック前に動いていたとしてPKやり直しとなり、植木はこれを落ち着いて決める。5-0としたなでしこが最後までザンビアに付け入る隙を与えず、白星発進を飾った。
グループステージ突破に向けた最大のライバルとなるスペイン女子代表がコスタリカに3-0と勝利していたなか、3大会ぶりの優勝を目指すなでしこも初戦で勝ち点「3」を掴みとった。
グループCは第1節を終えた段階で勝ち点「3」のなでしこが首位、スペインが2位、勝ち点「0」のコスタリカが3位、ザンビアが4位となっている。
ザンビア女子代表 0-5 なでしこジャパン
【日本】
宮澤ひなた(前43、後17)
田中美南(後4)
遠藤純(後26)
植木理子(後45+11)
