そーせいグループ<4565>、スイスのイドルシアから日本・アジア太平洋地域の医薬品事業を取得

そーせいグループは、スイスのバイオ医薬品企業イドルシア(バーゼル)の日本事業や韓国事業などを20日付で買収したと発表した。日本、韓国にある子会社の全株式のほか、主力製品の脳血管攣(れん)縮発症抑制薬「ピヴラッツ」、不眠症治療薬「ダリドレキサント」のアジア太平洋地域における権利(中国を除く)などを取得。取得総額は約650億円。取得総額は直近売上高の4倍以上にあたる規模で、成長戦略を一気に加速する。そーせいは1990年に設立した創薬企業。

イドルシアから買収した日本、韓国の子会社はイドルシアファーマシューティカルズジャパン(東京都港区。売上高149億円、営業利益8億6700万円、純資産29億7000万円)とイドルシアファーマシューティカルズコリア(ソウル。売上高8100万円、営業利益385万円、純資産1480万円)。取得価額はジャパン社が83億1900万円、コリア社が1900万円。

さらに、イドルシアの主力製品である「ピヴラッツ」「ダリドレキサント」の中国を除くアジア太平洋地域での権利や、イドルシアが保有するパイプライン(新薬候補)に関するオプション(選択権)を取得した。

そーせいは取得総額約650億円について手元資金250億円とみずほ銀行からの借り入れ400億円で充当した。

イドルシアの主力製品の一つの「ピヴラッツ」は脳動脈瘤によるくも膜下出血の手術後の脳血管攣縮などを抑える薬で、日本では2022年4月に発売された。日本で発売以来、 「ピヴラッツ」の売上総利益(薬価ベース)は2022年に約75億円で、2023年は130億円超を見込んでいる。

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