鹿島海軍航空隊跡地公開 茨城・美浦 「戦争の歴史伝えたい」 

一般公開が始まった鹿島海軍航空隊跡地を見学する来場者たち=美浦村大山

太平洋戦争中に水上飛行機の操縦訓練が行われた鹿島海軍航空隊跡地の一般公開が22日、茨城県美浦村大山の大山湖畔公園で始まった。本部庁舎や国内で現存数の少ない旧式ボイラーがある汽缶場など、当時の姿を色濃く残した貴重な遺構を間近で見ることができる。

同隊は1938年に発足。飛行練習生らが、霞ケ浦で水上機の操縦訓練などを行った。戦後は大学病院だったが、97年に閉院。村は2021年、同公園として整備を決めた。

今回公開されたのは、本部庁舎1階と汽缶場、自力発電所の3棟。庁舎内に残った食器や電話などの備品も展示されている。公園近くの軽油庫や自動車庫も自由に見ることができる。

この日はオープニングセレモニーが開かれ、中島栄村長が「戦争の歴史を後世に伝えていきたい」とあいさつ。テープカットや美浦中吹奏楽部の演奏などで公開を祝った。

千葉県八千代市から訪れた大学生、宇恵野岬さん(21)は「戦争当時の建物がそのまま残っているのはまれだと思う」と話した。

公開は毎週土日の午前9時~午後5時。午前10時と午後2時から希望者にツアーガイドを実施する。入園料大人800円、小中高生300円。

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