「消費者市民ネットおきなわ」が県内初の適格消費者団体に認定 悪徳商法から消費者守る 法的権限行使も

 【東京】弁護士や消費生活相談員、消費者らでつくるNPO法人消費者市民ネットおきなわ(三宅俊司理事長)が21日、消費者庁から、不当な契約行為を差し止め請求できる「適格消費者団体」の認定を受けた。認定は県内初で全国では24例目。三宅理事長は、団体設立10年の節目での認定を「悲願だった」とし、「権限を有効に活用しながら、消費者保護のための活動をさらに進めていきたい」と意気込んだ。

 適格消費者団体は2007年に導入された「消費者団体訴訟制度」に基づく団体。政府認定を受ければ、悪徳商法など不当な契約行為の差し止め請求など法的権限を行使することが可能になる。

 三宅理事長らは同日、消費者庁で新井ゆたか長官から認定書を交付された。認定式で新井長官は「消費者から制度の担い手としてこれまで以上に高い期待を受ける。沖縄の方々の期待も非常に大きい」と激励し、三宅理事長らに岸田文雄首相からの認定書を手渡した。三宅理事長は「離島県の沖縄で法的権限を行使できる適格消費者団体を立ち上げることは、私たちの悲願だった」とし、今後の活動に向けて表情を引き締めた。

 認定式後に取材に応じた三宅理事長によると、申請は3回目で、認定に向けて事務所の設置や専従職員の配置など組織の充実に努めたという。

 県内で若い世代を中心に、消費者金融やクレジットカードによる借入金を詐取する「名義貸し」の被害が広がった点などを挙げ、情報収集や対応に力を注ぐ考えを示した。

 三宅理事長は「県や県消費生活センターから情報を得ることができるような体制をつくっていきたい」とし、電話やインターネットでの相談体制の充実も図るとした。 (安里洋輔)

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