長崎大水害から41年 犠牲者思い 未来へ教訓

焼香をして手を合わせる参列者=長崎市、太陽と月の酵素カフェ

 死者・行方不明者299人を出した1982年の長崎大水害から23日で41年。「あの日」の記憶を語り継ごうと、22日、長崎市芒塚町の飲食店「太陽と月の酵素カフェ」で長崎大水害慰霊供養があり、住民ら約30人が犠牲者をしのび、防災への誓いを新たにした。
 同町では17人が土石流の犠牲になった。慰霊供養は、森林ボランティア団体「タケノエン」代表で同店を営む内藤恵梨さん(35)が2021年から毎年実施。同店敷地内に祭壇を設けて参列者が焼香し、手を合わせて犠牲者を追悼した。
 防災について学ぶイベントもあり、災害時の応急処置法などを学ぶ市消防局の救急講習や、防災士による防災の基礎知識講座などもあった。
 内藤さんは「子どもたちにも大水害について知ってほしい。これをきっかけに自分が住んでいる地域の危険な場所を調べるなど防災につながれば」と話した。
 初めて参加した県立長崎南高1年の中野悠人さん(16)は「(長崎大水害は)生まれる前の出来事でこれまであまり知らなかった。私たちの世代がこれから災害の教訓をつないでいくことが使命だと感じた」と未来を見据えた。

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