39位→3位 ジョン・ラームがメジャー自己ベスト「63」

逆転優勝へ望みをつなぎ最終日に入るジョン・ラーム(撮影/村上航)

◇メジャー最終戦◇全英オープン 3日目(22日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)

予選ラウンド2日間で北西から吹いた風は、ムービングデーに南東から流れ込んだ。最終組から4時間以上前にティオフしたジョン・ラーム(スペイン)は、この風向きを絶好機と感じていた。

「最初のホールで積極的に行く必要があると分かった。風がなく、伸ばさなくてはいけない。リスクを負う価値はある」。忍耐強さが求められた前日までから戦い方を一変させ、できるだけティショットをグリーンの近くまで飛ばす作戦を取る。圧巻のラッシュは1つスコアを伸ばして迎えた9番(パー3)から。以降10ホールで7バーディと攻め立て、39位から3位に急浮上した。

中盤からアクセルを踏み込んだ(撮影/村上航)

8バーディ「63」は、2021年の本大会2日目にマークした「64」を更新するメジャーでの自己ベスト。「これまでのリンクスのゴルフでのベストラウンド。必要とされているプレーができた。これでチャンスができた」と納得した。

12打あったハーマンとの差を6打まで縮めた。劣勢には変わりはないが、「まだゴルフは残っている」と言った。「正直なところ、あしたの午後は家族と楽しむだけ。それ以外に何もない」と独走態勢にあるリーダーにかかる重圧とは無縁だ。

初日89位の出遅れから優勝争いへ(撮影/村上航)

4月の「マスターズ」でメジャー2勝目、PGAツアーの今季4勝目を挙げてから、トップ10は2回。3週のオフをとって英国に乗り込んできた。「しっかり準備してきたつもり。今週も良い仕事がたくさんできた。食べて、体をケアして、家族との時間を過ごして寝るだけさ。いたってシンプル」。勢いを保ったまま日曜日に向かう。(イングランド・ホイレイク/桂川洋一)

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