FC琉球、横浜と引き分け 守備と決定力が課題

 サッカーの明治安田J3第19節第1日の22日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでYSCC横浜と対戦し2―2で引き分けた。通算成績は7勝9敗3分けで勝ち点は24となった。前半2分に白井陽斗のゴールで早々と先制したが、連続で失点し1点ビハインドで折り返す。後半9分に中野克哉のロングシュートで同点に追い付いた。終盤まで激しく攻めたが勝ち越せなかった。
 次戦は30日、静岡県の愛鷹広域公園多目的競技場でアスルクラロ沼津と対戦する。
 
(1)タピスタ
琉球 7勝3分け9敗(24)
 2―2(1―2,1―0)
Y横浜 5勝7分け7敗(22)
▽得点者 【琉】 白井(2)中野(4)【Y】 萱沼(3)柳(3)
▽観客 2364人
 【評】FC琉球は7試合ぶりの先制点を決めたが、守備が十分に機能せず勝ちを拾えなかった。開始早々に先制したものの、サイドバックが上がった裏のスペースをYS横浜に突かれ、2点を失い逆転された。後半9分、中野克哉のロングシュートで同点に追い付いた後はチャンスを多くつくったが、ラストパスやシュートの精度を欠き勝ち越せなかった。
 前半戦最後の試合を勝ちきれず、FC琉球の選手たちは悔しさを浮かべた。

 立ち上がりは理想的だった。開始から1分45秒、白井陽斗が左サイドから中央にボールを入れた後、猛然とダッシュ。前にいた味方を抜いてリターンパスに追い付き、チームに7試合ぶりとなる先制点をもたらした。「パスが出るのを信じて走った」という白井の思いきりの良さで流れを引き寄せたかに見えた。しかし、主導権を握れない。ボールを持つ相手へのチェックが甘く、パスをつながれる。不用意なパスを高い位置でカットされ、ピンチを迎える場面もあった。前半9分に追い付かれると、26分にはサイドの裏を狙った横浜の速攻に逆転を許した。

 守備の意識を統一して臨んだ後半は多くのチャンスをつくり出した。後半9分、ハーフライン近くで相手のパスをカットした中野克哉が、左足を振り抜いて前に出ていたゴールキーパーの頭上を越える超ロングシュートを決め、同点に追い付いた。故障から復帰した清武功暉や野田隆之介らがリズムをつくり、後半のシュート数は横浜の2本に対し9本と圧倒した。

 シーズン途中から指揮する喜名哲裕監督は「昇格に向けて、諦めている選手は誰一人いない」と話す。守備と決定力という課題を修正し、後半戦の躍進を誓った。

(沖田有吾)
主導権を握られた
 喜名哲裕監督(琉球)の話 勝ち点3を取らないといけない試合だった。前半は守備でミスマッチが多く、主導権を握られた。後半はチャンスも多くつくったが、最後に決める強さが必要。前半戦を終え、思い描いていた順位ではないがチーム内で競争も生まれ成長している。
 
後半リズムが悪かった
 星川敬監督(横浜)の話 J2だったFC琉球の個人の質の高さを出さないようなゲームを望んでいたが、先制されてしまったのは痛かった。前半は高い位置で奪ってショートカウンターができていたので3点目を奪えていれば勝ち点3を取れた。後半はリズムが悪かった。

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