専大松戸 耐え抜き12回決着 土壇場みせた執念 第105回全国高校野球 千葉大会 第12日

延長12回タイブレークの末、拓大紅陵にサヨナラ勝ちし喜ぶ専大松戸ナイン=県総合SC

◇準々決勝 専大松戸2―1拓大紅陵(2023年7月22日・県総合SC)

 延長十二回に及ぶ大熱戦。最後に笑ったのは、粘り強く耐え抜いた専大松戸ナインだった。試合開始から3時間15分。それまで再三鍛え抜かれた連係プレーを見せていた拓大紅陵の守備のほころびで決着が付いた。

 負けられない戦いで発揮した執念が、土壇場で実った。今大会で初めて追いかける展開となった十一回。1死一、二塁から広川陽大が低めの変化球を振らずに四球を選んで満塁。代打小林大輝は遊撃への弱いゴロとなったが頭から滑り込んで併殺を免れ同点とした。

 相手投手の変化球攻めに手を焼き、ここまで4試合で計37得点の打線が散発4安打と沈黙。四死球で得た満塁機も2度逃し十回まで誰一人、本塁を踏めなかった。それでも勝ちきれたのは登板した2投手の踏ん張り。十回まで無失点でつなぐ。持丸修一監督が「ものすごい進歩」と絶賛した我慢強さが光った。

 土俵際まで追い込まれながら劇的勝利をつかんだ。「窮地に立たされても負けないチームになった。さらに自信が付いた」と主将の大森准弥。苦しい試合になっても最後の最後に勝ち切った絶対王者が、さらにまた、たくましくなった。

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