【MLB】エンゼルスはNo.1有望株をトレードに出すべきか?

写真:クエロは有望株の登竜門フューチャーズゲームにも選出された@Getty Images

トレードデッドラインを目前に控え、エンゼルスが「買い手」と「売り手」のどちらに回るのか、大谷翔平をトレードに出すのかということは依然として注目の的となっている。

エンゼルスは大谷のトレードを検討する傍ら、もう一件のトレードを検討した方がいいかもしれない。

それがエンゼルスのNo.1有望株、エドガー・クエロ捕手のトレードだ。

クエロは現在AAでプレーする20歳の捕手。エンゼルスのNo.1有望株であるだけではなく、『MLB.com』のプロスペクトランキングでも66位に付ける屈指の好素材だ。

通常、トレードデッドラインにおいて買い手に回ったチームが若手有望株をトレードに出し、売り手のチームから戦力を補強することは珍しいことではない。

しかし、エンゼルスは目下、買い手・売り手の両方があり得る位置におり、大谷翔平をトレードして売り手に回ることもあり得るが、売り手となってもクエロのトレードは十分に理解できる。

その背景にはエンゼルスの充実した捕手事情がある。

現在は故障でリハビリ中だが、ローガン・オホッピーはメジャーで通用する実力を証明した。さらにオホッピーの穴を埋めているマット・サイスも、出塁率.359と捕手としては十分な攻撃力と、懸念の守備力でも軒並み平均レベルの指標をマークしている。

2人とも残り5~6年はエンゼルスの保有下にあり、向こう数年はエンゼルスの捕手事情は安泰だろう。そうなってくると、クエロを使う場所がなくなってしまう。

エンゼルスは宝の持ち腐れとなってしまう前にクエロをトレードに出し、捕手以外の別のポジションの選手を獲得するべきかもしれない。

これと似たような背景のトレードが、まさに昨年エンゼルスがローガン・オホッピーをブランドン・マーシュで獲得したトレードだった。

オホッピーを放出したフィリーズの捕手には、長期契約を結んだJT リアルミュートがおり、オホッピーを使う場所がない状態だった。そこでオホッピーをトレードに出し、長い期間保有できる外野手のマーシュを獲得するに至ったわけだ。

エンゼルスにとっては、捕手陣の整理に手を付けなくてはいけないのは時間の問題のようにも思える。

それならば、目下調子を上げてきたチームにクエロで獲得した戦力を加え、悲願のプレーオフ進出の可能性を高めるのは決して悪くない選択だろう。

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