奥日光・湯元の魅力ゆるりと ベテランガイド案内のプチハイク、記者が同行 9月までの土日に開催

温泉寺について解説する安倍さん

 【日光】奥日光湯元温泉旅館協同組合は今月、湯元などの散策を気軽に楽しめるハイキング事業を始めた。9月末までの土、日曜に開催。ベテランガイドが観光客などに地域や自然の魅力を伝える。今回はネイチャーガイドなどを行う同組合の安倍輝行(あべてるゆき)さん(47)にハイキングコースを案内してもらった。

 「奥日光をゆるりと味わうプチハイク」と名付けた同事業は、主に湯元温泉周辺と戦場ケ原の2ルートを用意。湯元や奥日光をどう楽しんだら良いか分からないという人などをターゲットに、ガイドと一緒に地域を楽しく歩く。

 今回は湯元温泉周辺を案内してもらった。最初に訪れたのは、日光山輪王寺別院・温泉寺。日光開山の祖・勝道上人(しょうどうしょうにん)が788年に建立したとされる。全国でも珍しい温泉を有する寺で、参拝だけでなく500円で誰でも入浴できる。

 続いて温泉寺近くにある温泉の源泉へ移動。水たまりのような場所でもぶくぶくと温泉が湧き出る様子が観察できる。安倍さんは「白濁りしている場所もあるが、フレッシュな温泉は無色透明」と解説。触れてみるとけっこう熱く、約70度あるという。

 源泉を南下し温泉神社へ到着。湯元温泉を見渡せる高台にある神社だ。明治期の絵図を手にしながら安倍さんは、かつての湯元は芸者がいるなどしてにぎわっていた様子や街並みを説明。「当時は湯脈を中心に、地域が栄えていた事がうかがえる」と話した。

 その後、湯ノ湖方面へ移動し釣りや川遊びを楽しむ人たちを眺めながら、湯元の市街地を一周。安倍さんは参加者の興味に合わせ、いろんな話題を織り交ぜながら案内するという。

 この時季の気温は23度前後で過ごしやすい湯元。安倍さんは「湯元には何もないように思うかもしれないが、意識の向け方で多種多様な楽しみがある」とし、「プチハイクを通じて、湯元の歴史や自然の魅力の一端を感じてもらいたい」と笑顔で話した。

 【メモ】湯元温泉のコースは期間中の土曜日午後2時と同4時から開催し、参加費は小学生以上500円。戦場ケ原のコースは期間中の日曜午前10時から実施し、参加費は大人2千円、小学生千円。いずれも予約制。9月23、24日に開くスペシャルツアーの予約も受け付けている。(問)市観光協会0288.22.1525。

源泉について紹介する安倍さん
絵図を見せながら湯元の歴史を解説する安倍さん
湯ノ湖など自然の魅力を伝える安倍さ

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