宇都宮・昭和地区のマップ完成 スマホ片手に大谷石蔵巡り、県庁北西に24カ所

市観光案内所で配布されている「宇都宮石蔵めぐり散歩」のチラシ

 【宇都宮】昭和地区にある大谷石の蔵を紹介するマップが完成しました。グーグルマップと連動し、スマートフォンなどで利用できます。既に完成している2コースとともに「宇都宮石蔵めぐり散歩」としてQRコードを載せたチラシの配布も始まりました。手に入れて巡ってみました。

 マップを作ったのは宇都宮まちづくり推進機構の歴史的建物活用特別委員会。委員長の武井貴志(たけいたかし)さん(66)によると、市街地の大谷石の蔵が減少していることから、観光、景観資源として活用し保存につなげたいと作製したという。「市外から来た人や地元の人たちに、石蔵に興味を持ってもらえれば」と期待する。

県庁北西に24カ所

 JR宇都宮駅の市観光案内所を訪れ、「宇都宮石蔵めぐり散歩」のチラシを手に入れた。「昭和エリア」「佐野街道コース」「鎌倉街道コース」(所要時間は各約2時間)と、それぞれについてマップにアクセスするためのQRコード、特徴、バス乗り場などが紹介されている。

 これから目指すのは昭和エリアだ。特徴は「白目の美しい大谷石蔵に出会えます」「石積みのように見える石蔵も実は木骨張り石造りが多い」とある。スマートフォンでQRコードからマップにアクセスすると、県庁の北西の地域に、24個の石蔵のアイコンが表示された。

便利な情報・スケッチ

 さらに、このアイコンをクリックすると、その石蔵の構造形式や建築年代、メモなどの情報が表れた。石蔵のスケッチもある。「石蔵は敷地の奥にあることが多く、外から気付きにくいため、気付きやすいように石蔵だけに色を着けました」(武井さん)

 昭和エリアに移動して最初に向かったのはネイルサロン「Heritage(ヘリテージ)」の石蔵。マップの情報には、昭和4年の建築で石積みとある。重厚で上品な雰囲気が漂う。

 この日は気温が30度超の真夏日。流れる汗をふきながらスマホを手に住宅街を歩き回った。私有地には入れないので、石蔵を見つけるにはやはりスケッチが役立つ。確認したら、マップの情報を見る。「これが貴重だという『虎杢(とらもく)』の大谷石か」「これって張り石なんだ」-。また、マップには「ミニ情報」として名所や旧跡の説明もあり参考になった。

 1時間ほどで終了。全てを訪ね終えた。汗だくでへとへとだが、残りの2ルートも歩いてみたくなった。

 ところで、このマップはスマホ上だけでも意外と楽しめる。暑さが厳しいこの時季、室内で石蔵めぐりというのも一案だ。紙面のQRコードをどうぞ。

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 同委員会では今後、他の地区のマップの作製も予定している。チラシは市の図書館や美術館、生涯学習センター、児童館、ホテルなどでも配布されている。

 (問)宇都宮まちづくり推進機構028.632.8215。

3コースのマップにアクセスするQRコードが付いた「宇都宮石蔵めぐり散歩」のチラシ(裏面)
石蔵を活用したネイルサロン「ヘリテージ」

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