フロッグの使い分けとは?基本にして王道「ちゃんと食わせる」べし!

ヘビーカバーも臆することなく攻め、その中を横方向に引いてくることができるフロッグは、対障害物において圧倒的な効率の良さを誇る。しかも、水面で誘いを掛ける構造上、ルアー自体は非常に見切られにくい特徴を持つ。加えて、際どいスポットへアプローチする楽しみ、操作する楽しみ、パワーのあるタックルでのやり取り、そしてトップウォーターとしての楽しみまで併せ持つため、釣獲性能以前に、ゲーム性が非常に高いジャンルなのである。

●文:ルアマガプラス編集部

ブームの裏側で悩むアングラーに助けの船

近年では、その魅力の虜となったアングラーも増え、フロッグのみの大会などが人気を博している。菅沼さんはそんなフロッグブームの火付け役の一人。

「フロッグを使うアングラーはここ数年で増えましたね。実際に釣果もよく耳にするようになりました。ただその一方、一部では『バイトはあるのに釣れない、掛からない、バラす』という声もいただいていますけどね」

そのコメントにギクッとしたが、実は記者自身、約5年前に菅沼さんを取材し、フロッグゲームの魅力に取りつかれた一人なのである。…ただし、未だに1尾も釣り上げたことはないという不甲斐ない事実付きではあるが…。

「フロッグはスナッグレス性も高く、テンポも良いので、惰性で釣ってしまいがちですが、それだとバイトは得られても釣果に結び付くことは少ないでしょうね。フロッグの釣りで重要なのは『ちゃんと食わせる』ことなので。極論、それさえできればフロッグは巻きアワセでも掛かりますから」

その本気食いへの極意は如何に!?

本気食いへの道① ディスタンス

― ディスタンスを決めるファクター

カバー
水質

クリアな水質に比例して、ディスタンスの確保が必要になる。水に色が付いたり、カバーがあることで近づくことが許される。

― 回収の時間が多いことを意識せよ

狙ったスポット以外でバイトをさせないためにも、核心部を過ぎたらピックアップの繰り返し。そのため、ディスタンスを取り過ぎると手返しが悪くなることも忘れずに。

菅沼さんは約15~20メートル前後のディスタンスでアプローチ。そこから、水色やカバーの有無で距離を調整。

― 『ちゃんと食わせる』理由

無駄な反応が命取り。「一撃必釣」が信条!

トリプルフックがぶら下がっているプラグと違って、フロッグはボディを丸呑みするような深いバイトが要求される。そのため、スウィートスポットから外れた場所でバイトを得ることはNG。食わせ所を意識した上で、ディスタンスやルアーの速度などをその日の状況に合わせてアジャストする必要がある。

― 双璧のフロッグを的確に使い分けるべし!

基本的に障害物を中心に釣っていくフロッグ。深いバイトを誘うためには狙いがその内側か外側かでアプローチするルアーも変わっていくと菅沼さんは言う。

「フロッグはレイダウンや浮きゴミなど、人間とバスを隔てる遮蔽物を釣っていくルアーです。そのため、食わせる場所がその内側か外側かでルアーが変わります。内側であれば、ポッパータイプかつスカートの抵抗で移動距離を抑えて誘うことができるミクラ。外側は重量のあるブレードが水中でアピールし続けるキューが有効です。

ただし、キューの場合、ミクラが得意とするスポットの魚も釣ることができるので、その日の傾向を見極めるまではとりあえずで投げることが多いので必然的に頻度が上がりますね。1日の割合で言うと、キューが7割、ミクラが3割というのが最近の傾向です」

本気食いへの道② 遮蔽物の内か外か

INSIDE(左) OUTSIDE(右)

― インサイドには、ミクラ[ディープフォレスト]

圧倒的完成度のコンパクトポッパータイプ

先細りなポッパーノーズは障害物を乗り越えやすく、フッキング時に口をこじ開けにくくするための構造。ファットボディでサイズのわりにウエイトがあり、キャスタビリティも高い。

カバーのインサイドでバイトが集中する場合、狭いスポットでも粘りを利かせられるミクラが有利。

エビ食いにはティンセルタイプ!

レッグがティンセルタイプのカラーもラインナップされており、エビを偏食しているバスに非常に有効。

― アウトサイドには、キュー[ディープフォレスト]

外側も狙える、現代のバーサタイルフロッグ

ミクラ同様コンパクトなボディを有し、ポイントノーズにより障害物回避性に優れるキュー。リアのフレンチブレードは水押しとフラッシングでアピールし、カバーの外側でもバイトを誘う。

キューはⅰ字系!?

ブレードによる水押しが側線に刺激を与え続けるキュー。「スパイベイトをイメージして使うと、バイトが得られると思います」

「シェードであってもオーバーハングの下は『外側』です。なので、深いバイトを狙うならキューに分がありますね」

― カバー下の空間も考えてアプローチ

魚が入れるスペースの多さを意識

トップウォーターといえば、魚との距離が近くなるシャローが有利かと思いきや、「必ずしも当てはまらない」と菅沼さん。「同じようなマットカバーでも、単純に水深があるほうが魚の入れるスペースが広いので、よっぽど浅い側に集中している状況でなければ、スペース=チャンスの多さだと思います」


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