第105回全国高校野球選手権石川大会第9日(23日・金沢市の県立、市民両野球場)準々決勝が行われ、上位シード4校が準決勝進出を決めた。25日に県立野球場で行われる準決勝は星稜―小松大谷(午前10時)、遊学館―航空石川(午後0時半)となった。
星稜は金沢商に11―4、小松大谷は小松工に19―0でいずれもコールド勝ちを収めた。航空石川は金沢を延長十回タイブレークの末に6―3で下し、遊学館は金沢学院大附を9―3で破った。
●航空石川・竹内 延長十回勝ち越し打 「焦りなかった」
航空石川は1点リードで迎えた九回に追いつかれて嫌なムードが漂ったが、直後の十回に3点を奪って振り切った。
十回タイブレーク(無死一、二塁からスタート)は3番・渡邉太晴、4番・岩﨑剛大が凡退。2死一、三塁から5番・竹内駿介が左翼手の頭上を抜く2点二塁打を放つと、中村隆監督も思わずベンチから飛び出した。
「楽しんでいけとメンバーが声を掛けてくれ、焦りはなかった。感触は良くなかったが、外野の頭を越えて『よし』と思った」と竹内。昨年は内藤鵬(ほう)(オリックス)を擁して準決勝敗退。6年ぶりの甲子園へ「ここからは総力戦。楽しみながら全力でぶつかっていきたい」と力強く語った。
●金沢・齋藤2発も九回の凡退悔やむ
金沢は2番・齋藤大翔(2年)が2打席連続本塁打と活躍した。九回2死一塁の場面は凡退し「あそこで打っていたら勝てた。先輩ともう少し野球がしたかった」と涙を流した。
●小松大谷・田西「4番の仕事ようやく」
小松大谷は20安打19得点と打線が爆発。180センチ・84キロの1年生4番・田西称(たさいとな)は3打数3安打3打点で「今まで4番の仕事ができてなかったので、ようやく肩の荷が下りた」と安堵の表情を浮かべた。全3試合コールド勝利に西野貴裕監督は「全員しっかり振れている」と手応えを語った。
●遊学館・塚本 背番号13、2安打2打点
遊学館は先発起用された背番号13の6番・塚本葉月(2年)が3打数2安打2打点と活躍し「試合に出た時は積極的なプレーを心掛けている。いい場面で打てた」と振り返った。
投手陣は4人の継投策でエースの村松杏慈を温存した。中川光雄監督は「エース以外の成長が見られたのが大きい」とたたえた。
●星稜・佐宗4回零封「丁寧に強く」
星稜は2年生左腕・佐宗翼が先発で4回無失点に抑え「昨日から緊張が止まらなかったが、真っすぐを丁寧に強く投げることを意識した」と話した。2番手のエース武内涼太は3四死球4失点と大乱調で1死も取れず降板。打っては3安打4打点、右翼の守備で好捕もあったが「投球がまだまだ」と反省した。