日本の鉄道が左側通行なのはイギリスがきっかけ!?左側通行と右側通行があるのはなぜか【図解 鉄道の話】

車だけでなく鉄道にも決まりがある

日本の道路交通法では、歩行者は右側通行、自動車は左側通行と定められています。これはお互いに、対面通行のほうが相手を認識できるという安全のためなのです。同じように、日本の鉄道も左側通行に定められています。山手線で「外回り」「内回り」といった表現がありますが、これも左側通行と決まっているからこそ成り立つ表現です。この場合、時計回りの方向に回るものが「外回り」反時計回りの方向に回るものが「内回り」です。しかし、日本国内にも例外があり、秋田県内の秋田―大曲間は右側通行をする様子を見ることができます。

ここは秋田新幹線と奥羽本線の普通列車が走る区間ですが、秋田新幹線と奥羽本線では線路の幅が異なるため、秋田駅側から見て左側に新幹線の線路、右側に在来線の線路があります。そのため、タイミングによっては右側を走る在来線を左側から新幹線が追い抜くという光景も見ることができます。そもそも日本が左側通行に統一されているのは、左側通行のイギリスの技術支援があったからです。ちなみにイギリスが左側通行なのは、馬に乗るときムチを操りやすいからとされています。一方、イギリスの影響を受けていない国は右側通行が多く、ドイツやアメリカでは交通機関は右側を走ります。

電車が左側通行の国と右側通行の国がある

左側通行の国

日本、イギリス、フランス、イタリア、スイスなど

右側通行の国

ドイツ、アメリカなど

日本の鉄道が左側通行なのはイギリスの影響

日本ははじめて鉄道をつくるときにイギリスから技術を輸入したため、そのまま左側通行が採用されました。日本人に左側通行が受け入れられたのには、江戸時代の作法が関係しているという説があります。

日本の武士

武士はすれ違う相手に鞘を当てないよう、左側を歩くのが作法でした。

イギリスの馬車の御者

荷馬車でムチを打つとき、周りにあたらないよう左側を走っていました。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』綿貫 渉

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
綿貫 渉 著

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