通話相手に「2番のボタンがない」 大手企業なのに振り込み先が個人名義… 信金と市の職員、詐欺疑い被害防ぐ 千葉・館山署が感謝状

詐欺を未然に防ぎ、感謝状を贈られた井戸さん(中央)と川原さん=館山署

 電話de詐欺の被害を防いだとして、千葉県警館山署(松本丈史署長)は、館山信用金庫那古船形支店の井戸真奈美さん(38)と館山市職員の川原菜月さん(29)に感謝状を贈った。

 同署などによると、6月5日午前10時ごろ、南房総市内の60代男性が動画の視聴料金を振り込もうと同支店に来店。井戸さんは男性が携帯電話で話しながら振り込みをしようとしている様子や、大手企業をかたる電話なのに振込先が個人名義だったことなどから詐欺を疑い、同署に通報した。

 川原さんは同8日午後2時ごろ、業務の一環で館山市内の銀行を訪れた際、市内の60代女性が携帯電話で話しながら慌てた様子でATMを操作したり、通話相手に「2番のボタンがない」などと話したりしていた様子を見て、女性行員に相談。被害を未然に防いだ。

 井戸さんは「不審な点があれば、すぐ警察に連絡しようと日頃から指示されていた。被害を食い止められて良かった」。川原さんは「今後も何か違和感を感じたら、すぐに話しかけたい」と話した。

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