千葉県内唯一採用ゼロ 女性消防士になろう 匝瑳、横芝光で職場体験会 マタニティー制服導入や資機材の軽量化 環境整備進め働きやすく

ホースに触れて放水を体験する参加者=横芝光町

 千葉県内で唯一、女性消防士のいない匝瑳市横芝光町消防組合は22、23日、採用に向けて女性を対象とした職場体験会を初めて開催。2日間で計4人が参加した。職場の環境や雰囲気を知ってもらう機会をつくろうと初めて企画。参加者は女性用スペースを備えた消防署新庁舎を見学したり仕事内容の説明を受けたりして将来をイメージした。

 同組合によると、4月1日現在で女性消防士が県内で唯一のゼロ。これまで採用がなく、女性の受験者増や採用を目指している。体験会には消防関係の仕事を志し、事前に申し込んだ学生らが各日2人参加した。

 今月使われ始めた横芝光消防署新庁舎は同組合として初の女性用スペースを整備。参加者は交代勤務向けの仮眠室や浴室などを備えた真新しい一室などを見て回った。防火衣着用や消防車からの放水なども体験し、匝瑳消防署で特別救助隊の訓練風景も見学した。

 このほかマタニティー制服導入や資機材の軽量化といった採用を見据えての施策の説明もあり、同組合は誰もが働きやすい環境整備を進めるとアピールした。

 参加した茨城県古河市の専門学校生(20)は「女性が少ない場所だからこそ自分が力になれるかも。設備が新しくきれい。働きやすそう」。市原市の大学4年生(21)は「ほかの消防も同様だが女性向けの取り組みに力が入っていると感じた」と感想を語った。

 同組合の本年度採用試験は8月7日まで応募を受け付け、9月に試験が行われる。

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