道の駅「恐竜渓谷かつやま」周辺に飲食店が続々オープン 福井県勝山市に豆乳カフェ、テラス付きのファストフード店

7月25日にオープンする豆乳カフェ「+ヒトマメ」=福井県勝山市荒土町新保

 福井県勝山市の道の駅「恐竜渓谷かつやま」東側隣接地の産業団地に今夏、カフェとファストフード店が相次いでオープンする。県立恐竜博物館のリニューアルオープンで注目が集まる中、事業者は観光客をターゲットに「存在感を発揮したい」と意気込む。同団地の企業進出は初めてで、勝山市はこれを弾みに誘致活動を強化する構えだ。

 隣接地を巡ってはイチゴ栽培事業者が2021年に独自進出した一方で、市が産業団地の整備を計画。市土地開発公社が約1万4500平方メートルの分譲地を造成した。22年7月には同市の食品製造会社「山一食品」が約2800平方メートルを取得し、豆乳飲料を売りとしたカフェを設けることを発表。同社の進出エリアの一部を借り受け、市内で飲食事業を展開する「GORAKU(ゴラク)」もファストフード店の整備に乗り出した。

⇒人気菓子店が夏限定かき氷店オープン

 山一食品は、「+(プラス)ヒトマメ」を25日にオープン。国産大豆の皮を取り除いて豆乳にする手法で、甘みを際立たせた豆乳を用いた16種類の飲料や台湾料理などを提供する。プロジェクトリーダーを務める上山慎弥取締役(38)は「豆乳に親しんでこなかった人にも、いいと思ってもらえるメニューを用意できたと思う」と話す。持ち帰り用の豆乳も販売し、土産購入スポットとしても存在感を発揮したい考え。同社の飲食店運営は初めてで「プレッシャーは大きいが、ここを目当てに県内外の観光客が来るようにしたい」と上山取締役は意気込む。

⇒福井県の丹南エリアに美術館オープン

 GORAKUの「Lunch Picnic KINO&(ランチ ピクニック キノアンド)」は8月7日に開業を予定。同社オーナーの木下浩史さん(52)は「恐竜博物館に訪れる観光客やファミリーを取り込む店が勝山には少ないと感じていた」と指摘。ハンバーグランチやパスタといったメニューをそろえ、こうした客層の受け皿を目指す。テラス席を設けるなどし「ピクニック感覚で楽しんでもらえたら」と話す。テイクアウトへの対応も重視し、ドライブスルーを設置した。

 一方で、ほかの分譲地への進出企業は未定。市は「今回の2店舗の開業でPR効果もあると思う」と新たな企業の応募を期待。「企業への働きかけはもちろん、いろんなところに足を運んで隣接地を紹介したい」と売り込みを強化する考えを示した。

© 株式会社福井新聞社