次期衆院選、青森県2区の動き活発化 自民現職が後援会設立、国民は新人擁立へ

納涼会の参加者と握手する神田氏(中)と大島氏(左)=22日、八戸市のユートリー

 次期衆院選をにらみ、青森県2区の動きが徐々に活発化している。現職の自民党神田潤一氏(52)は知事選後、自らの後援会組織を設立し、八戸市内で住民との対話集会を始めた。22日夜には大島理森前衆院議長の地元・同市上長地区で大島氏と共同で納涼会を開き、改めて大島氏の後継をアピールした。一方、野党は国民民主党が元県立高校教員の新人金濱亨(あきら)氏(34)の擁立を決定。立憲民主、共産両党は候補者を選定中だが、焦点となる野党間の候補者調整は国民が否定的な見解を示しており、先行きは不透明だ。

 「大島先生のふるさとのこの地域を、私もふるさとと考えて頑張る。大島後援会の皆さまができるだけ神田後援会に移行していただければありがたい」

 22日夜、八戸市のユートリーで開かれた納涼会で、神田氏は大島氏の支援者ら約280人に訴えた。大島氏も「政治家の言葉の重みは、見えないところでの積み重ねでできる。神田氏にはもう少し時間が必要。そのために(次期衆院選で)当選させてほしい」と神田氏支持を求めた。

 神田氏は6月の知事選後、後援会を設立。会長に八戸高校の同期で同市内で会計事務所を営む公認会計士の宮下宗久氏が就任した。7月上旬には、同市の南浜地区と根城地区で座談会を開催。大島氏が選挙区内に張り巡らせていた後援会支部を徐々に自身の後援会に移行するとともに、新たな支持者の獲得も狙う。

 神田氏は2021年10月の衆院選で初当選。コロナ禍が落ち着き、統一地方選と知事選を終えたこのタイミングで後援会活動を本格化させた。神田氏は取材に「一人でも多くの人に会い話を聞きたい。1期目の実績を訴えながら、一から選挙運動をやり直す気持ちだ」と述べた。

 国民は19日、金濱氏を青森県2区の公認予定者に決めた。金濱氏は同党推薦で今年4月の県議選に出馬したが落選。その後正式に入党し、街頭演説など政治活動を続ける。党の県内組織は実質的に存在しないが、金濱氏は「自分が納得できる政策、共感できる政治姿勢を掲げる国民民主の党勢拡大に貢献したい」と語り、引き続き交流サイト(SNS)を活用しながら党や自身の政策を訴える方針だ。

 連合は国民と立民の候補一本化を要請しているが、国民は拒否感を示している。2区候補者擁立に向けて人材の発掘、選定を進める立民県連の田名部匡代代表は23日、野党の候補者調整について「野党が乱立すれば足を引っ張り合う。候補者をたくさん立てれば各党の比例票の積み上げにはなるが、野党を一本化することが自公連立政権に勝利する近道だ」と強調した。

 共産党三八地区委員会の久保将委員長は「擁立する方向で検討しているが、候補者は未定」とし、候補者調整は「中央で決めること」と述べるにとどめた。

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