創立者・菊池九郎の鏡絵堂々 東奥義塾150周年ねぷた、紙張り進む 青森・弘前市

紫の着物を羽織った菊池九郎が描かれた東奥義塾ねぷた。OBや関係者が汗だくになって紙張り作業を進めた=23日午前9時ごろ、弘前市民中央広場

 青森県弘前市の東奥義塾高校の同窓会(櫛引利貞会長)は23日、約40年ぶりに弘前ねぷたまつり(8月1日開幕)に出陣する同校創立150周年記念ねぷたの紙張り作業を行った。鏡絵には、「義塾カラー」の紫の着物を着た創立者・菊池九郎の勇壮な姿を描いた。十字架や同校礼拝堂のステンドグラスもあしらい、キリスト教主義を基礎とした同校の志を表現した。

 23日は、同校OBや運行に協力する「東日流(つがる)ねぷた雅会」のメンバーら20人が同市の市民中央広場のねぷた小屋に集まり、汗だくになりながら作業に精を出した。

 同校の前身は弘前藩の藩校「稽古館」。元藩士の菊池(後に初代弘前市長、東奥日報社初代社長など)が中心となり、1872(明治5)年に私立学校東奥義塾として開校。74(同7)年に本多庸一が塾長に就任し、キリスト教主義教育の礎を築いた。いったん廃校となったが1922(大正11)年に再興を果たし、笹森順造(後に衆議院議員など)が塾長に就任した。

 ねぷた背部の見送り絵には、刀を振り上げる笹森を描き、袖絵には本多の肖像を配した。同校出身の絵師・木村邦仙さん(60)=81年卒=は「歴史ある母校の節目に、使命感を持って楽しく描けた」と語った。

 150周年記念ねぷたは、まつり初日の8月1日に出陣。同校在校生や卒業生が運行に参加する。

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