4年ぶりに神社行列と山車の合同運行が復活する八戸三社大祭(31日~8月4日)の開幕まで、24日で1週間となった。27ある各山車組では、制作作業が大詰めを迎えている。
賣市附祭(うるいちつけまつり)山車組の今年のテーマは「九尾の狐伝説」。9尾のキツネの化身である「玉藻前(たまものまえ)」や「妲己(だっき)」などの女性たちを陰陽師(おんみょうじ)の安倍泰成らが退治する場面を描いた。
23日は約20人が山車小屋に集まり、パーツ制作や色塗り作業のほか、せり上がり式の仕掛けを作動させ、台車に載せた人形や装飾品が美しく見えるよう調整した。全体の7割ほどまで完成したという。
制作副責任者の川口慎一郎さん(31)によると、これまでは勇ましい武者の作品が多かったが、4年ぶりの山車制作で制作責任者が代わり「新たな挑戦をしよう」と女性をメインに取り上げた。「祭り本番は山車のまがまがしい雰囲気を感じてもらいたい」という。
現在の山車小屋は2019年の祭り後に移転。コロナ禍による祭り中止のため、新たな小屋での山車制作は初めてという。作業環境の整備から始め、5月の連休明けに本格的な制作に着手。1日平均10人程度が作業に取り組む。五所川原市や仙台市など遠方から加わる制作者もおり、川口さんは「今年は若い子たちが制作に入って頑張ってくれている」と語った。