結成35周年のベテラン漫才コンビ デビュー当初の上岡龍太郎さんと笑福亭鶴瓶との秘話明かす

漫才コンビ・シンデレラエキスプレスの松井成行(58)と渡辺裕薫(55)が24日、松竹芸能大阪本社で「シンデレラエキスプレス結成35周年記念公演」(10月1日、大阪・エルセラーンホール)の記者会見を行った。

松井は「事務所総出で頑張ってますから、その神輿に乗っかって頑張りたい」と意気込めば、渡辺も「幼稚園の時に中田カウス・ボタン師匠にあこがれて、20歳で漫才師になって、今に至ります」と感慨深げだった。

2部制に分けて開催され、【寄席編】では笑福亭鶴瓶、ラジオパーソナリティーの近藤光史氏、【ライブ編】ではよゐこ有野(濱口はスケジュールの都合で欠席)、ますだおかだ他がゲストとして参加する。

渡辺は大学1年生の時に学園祭に来た笑福亭鶴瓶に「松竹芸能に入るなら、どうしたらいいんですか?」と直訴したところ、養成所があることを教えてもらったという。「(漫才師になった)きっかけは鶴瓶師匠。僕の披露宴の主賓でした」と恩人に感謝した。

印象的な出来事として、デビュー当初に鶴瓶と5月19日に亡くなった上岡龍太郎さんが同じテレビ局のメーク室にいると聞き、初めてあいさつへ伺った時のエピソードを披露。2人が人気テレビ番組『パペポTV』の出演前だったらしく、上岡さんと鶴瓶から毒舌で激励を受けたという。

「上岡師匠がウチの相方(松井)に向かって〝殺人鬼〟と言わはって。僕は〝コソ泥〟って。そしたら鶴瓶師匠が〝龍太郎師匠がこう言うているんや、自分ら自信持てえって〟」と渡辺。何のことか分からなかったが、あいさつを終えて引き上げると、鶴瓶の指示を受けた弟子が追いかけてきて「上岡師匠は漫才師の最高のコンビネーションは片方が殺人鬼、片方がコソ泥の目をしておかないといけないと。大体、面白いコンビはそうやと。だから褒め言葉なんかやから」と、フォローを伝えに来たという。

最近でも鶴瓶とテレビ局で会うと必ず「金欲しそうな顔をしてた」とポケットの小銭を全て渡されるという。聞いていた松井は「コソ泥のニオイが取れていないんでしょう。私には近づいてこないんですけど」と笑わせた。【寄席編】では鶴瓶を交えて3人で漫才を披露する予定だ。

【ライブ編】では後輩と自分たちを含めた35年の松竹芸能の歩を振り返るようなイベントを計画している。松井は「どうみなさんに見ていただくか」と期待を持たせた。

(よろず~ニュース・中江 寿)

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