俳優・カメラマンの古屋呂敏に単独取材! 尊敬する先輩・大泉洋の背中を追った結果……?

【 エンタメの未来を彩る光をキャッチ! シリーズ「未来予知」 】
日系アメリカ人を父に持ち、幼少期から日本とハワイを行き来する生活を送っていた古屋呂敏(ふるやろびん)。現在放送中のドラマ『VIVANT』やNetflixで配信中の恋愛リアリティショー『オオカミちゃんには騙されない』では大人の魅力を振り巻き、注目度上昇中です。芸能界入りしたきっかけから、俳優とカメラマンを両立する現在に至るまでの歩みを聞いた。尊敬する先輩・大泉洋の背中を追った結果……?

■就職活動中に目覚めたモデル仕事の楽しさ

――芸能界入りしたきっかけを教えてください。

古屋 僕はアメリカの大学に通っていたのですが、4 年生の夏休みには日本に帰国して就職活動をしていました。スーツを着て履歴書やエントリーシートをたくさん書いてインターンをして……という、皆さんと同じような就職活動をしていたんです。就職先を探しながらも洋服が好きだったので、アルバイト感覚でモデルの仕事を始めたのがこの世界に入るきっかけでした。最初はモデルをずっと続けようとか芸能界に入ろうとは考えていなかったのですが、続けるうちに楽しさに気づき、数年間はモデルをしていました。

――その後、撮影の仕事をするようになったのですね。

古屋 一度完全にモデルを辞めて、カメラマンや映像クリエイターとして活動するようになりました。そのうち今度は演じる側、俳優をやりたいと思うようになり、2019年からはアミューズに所属して役者としてのスタートを切ったところです。

■カメラマンと俳優、どちらも楽しいから両方続けたい

――今もカメラマンを続けながら俳優としてキャリアを重ねていらっしゃいます。両立を続けるこだわりとは?

古屋 どちらも楽しいからです。今はどちらかに偏ろうとも考えてないですね。僕の中ではプロセスが違うだけで、撮影をすることも自分が演者として出ることも、ものづくりの一環ではあるので、どちらも僕の表現の方法だと思っています。

関わり方は違いますけどね。例えば雑誌や広告をつくる現場では、準備含めて関わる時間が長い。編集者やプロデューサーなら、どういう映像にしようか、カメラマンは誰にしようか考えるし、ライターさんなら相手にこんな質問をしようと考える。その工程が見られるのが好きだし、知っておきたいんです。

■役者は1を10にする、カメラマンは0を1にする仕事

――演者としては撮られる側、カメラマンとしては撮る側ですが、スイッチの切り替えをどうされていますか?

古屋 そこはあまり意識していないです。でも使っている脳は全然違うかもしれません。カメラマンの時はゴールやそこに向かう道も自分で決めるので自由度が高いですし、役者の時はいただいた役を全うする。役者が1を10にするとしたら、カメラマンは0を1にする作業なのかな、と思います。

■ルーツはハワイ。今まで知らなかったことを経験するような旅がリフレッシュ法

――お父様が日系アメリカ人でハワイにルーツがあるんですか?

古屋 はい。ハワイ島に実家があるんです。毎年1回は行くようにしています。

――ハワイへ行かれることもそうだと思いますが、他にもリフレッシュの方法があれば教えてください。

古屋 旅は好きですね。自分が知らないこと、やったことないこと、見たことないものに対してすごく好奇心があって、それを知ることが楽しいんです。体験したことがないことを経験するのが僕のリフレッシュ法です。

――好奇心が旺盛なんですね。子どもの頃からそうだったのですか?

古屋 育ってきた環境はあるかもしれないですね。色んな国の人が周りにいましたし、自分が住んでいる世界以外のことがたくさん世の中にはある、ということを周囲の方から聞いてきたので、もっと広い世界を知りたいという欲求は子どもの頃からありました。

■台本がない恋愛リアリティショーではリアルな恋愛観がモロに出る

――現在、Netflixリアリティシリーズ『オオカミちゃんには騙されない』に出演中です。恋愛リアリティショーに出演されてみていかがですか?

古屋 僕には一生ご縁はないだろうなと思っていた仕事でしたが、経験できて良かったです。年齢を重ねて大人になるうちに、人と向き合うことに対して慣れが出てくるので、誰かを新たに知ろうという機会が限られてきてしまう。そんな中で改めて5人の女性と時間をかけてちゃんと向き合うという環境がとても新鮮でした。台本もないですし、出演者みんながピュアにまっすぐ恋愛と向き合っているんです。

――やはりご自身の恋愛観はにじみ出てしまうものですか?

古屋 それはモロに出ていると思いますよ。大人になればなるほど心が動きにくいというか……、誰かを好きになることってこんなに難しいんだ、と実感している中での出演だったんです。『オオカミちゃんには騙されない』には、22歳から32歳まで年齢幅のある参加者がいるから、やはり恋愛に対する心の動き方ってその10年で全然違うんですよ。好きという感情だけで一緒にいられるわけじゃないというのも自分の経験から知っているので、若い子が羨ましいなと思っちゃう場面もありました。だからこそ、今回番組の中ではしがらみを忘れて一人ひとりと向き合い、ぶつかっていきたいと思って取り組みました。

――どういう女性と一緒にいたいと思いましたか?

古屋 やっぱり元気な子がいいですね。笑顔が素敵で、一緒にいて楽しい子と過ごせたら心躍ります。

■大泉洋から「色んなことにチャレンジしろ」と言われた結果……

――俳優のキャリアとしては異色ですが、今までの人生で「ここが転機になった」という出来事は何ですか?

古屋 やはり俳優としてアミューズに入って新しいスタートを切ったというのが大きいですね。この業界では誰と一緒に歩んでいくかというのが大切だと思うので、いま僕を支えてくださっているスタッフの皆さんと会えたことが転機です。

また、この事務所に入ったことで役者の先輩と呼べる方に出会えました。それは大泉洋さんです。本当に素敵な方なんです。昨年の洋さん出演の月9ドラマ『元彼の遺言状』では一緒にレギュラー出演させていただき、3 ヵ月間ずっと側で見させてもらったのですが、現場でのたたずまいや振る舞いはすごく勉強になりました。洋さんが「色んなことにチャレンジしろ。かっこつけてんじゃないよ」と言ってくださったので、恋愛リアリティショーに出たというのもあります。でも「洋さんの背中を見て恋愛リアリティショーに出ることにしました」と報告したら、「俺は女の子といちゃいちゃするような仕事したことないよ!」と返されました(笑) 。

■一つひとつの仕事に全力で取り組み、その先を楽しみにしたい

――最後に3年後、5年後の自分がどうなっていたいか教えてください。

古屋 今と変わらずドラマや映画などものづくりに関わっていたいです。今は、いただいた役をこなすのに精一杯ですが、演じる役柄の規模が少しずつ大きくなっていけばいいなと思います。作品の責任を背負うような役もやりたいですし、それを見た方が「呂敏の演技見たから元気になれた」と感じてくださるような作品にもっと触れていけたらいいなと思います。「こうなりたい!」という大きな夢はないのですが、一つ一つの仕事に全力で取り組む先がそうなっていたらいいなと思います。

トップス ¥90,200、パンツ¥52,800/共にSARTO (Sian PR ℡03-6662-5525)
タンクトップ ¥1,980/CASPER JOHN(Sian PR ℡03-6662-5525)
ネックレス¥5,500、ブレスレット¥4,400/ 共にLHME(Sian PR ℡03-6662-5525)
スタイリスト/勝見宜人(Koa Hole inc.)

【古屋呂敏(ふるや ろびん)Profile】
1990年6月2日生まれ。京都府出身、ハワイ育ち。
父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。幼い頃からハワイと日本を行き来し、ハワイ州立大学、後にマサチューセッツ州立大学アマースト校に進学。モデルを経験後、2017年よりカメラマン/映像クリエイターROBIN FURUYAとして活動。ハイブランドの映像制作や、雑誌や広告の撮影を手がける。2019年より俳優活動を開始。2020年『仮面ライダーセイバー』(テレビ朝日)、2022年ドラマ『元彼の遺言状』(フジテレビ)などに出演。現在、Netflixで配信 中の『オオカミちゃんには騙されない』に出演中。 TBS日曜劇場『VIVANT』、MBSドラマ特区「結婚予定日」に出演中 。

写真:©entax

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