婦人服製造の新潟長岡市の企業、雇用調整助成金2億8千万円超を不正受給

新潟労働局が雇調金の不正受給があったと発表したモンエクセレ=7月24日、長岡市栃尾山田町

 新潟労働局は24日、新潟県長岡市の婦人服製造業「モンエクセレ」(中山喜美子代表取締役)が、国の雇用調整助成金(雇調金)約2億8341万円を不正に受給していたと発表した。新型コロナウイルス禍に伴う特例が認められた2020年1月以降、不正受給額は労働局管内で過去最高。12日付で支給決定を取り消し、不正受給分の返還などを求めている。

 雇調金は、業績悪化に伴い従業員を休ませた場合などに休業手当を補てんする制度。感染禍で事業縮小を余儀なくされた事業主などが利用していた。

 モンエクセレによると20年9月〜22年10月、従業員の一部を休業扱いにして雇調金の対象としたが、休業日に残務処理や製造を手伝うことが常態化していたという。

 中山代表取締役は新潟日報社の取材に「社員が休業日に手伝いに来ることがある企業風土だった。不正をするつもりはなかったが、認識が甘かった」と説明。28日に事業を停止する方針を示した。

 モンエクセレは長岡市内に2カ所の縫製工場を持ち、従業員は約110人。22年度の売上高は約2億7800万円。

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