ゲンキーが富山県小矢部市に物流・加工拠点オープン 物流危機「2024年問題」見据え効率化

ゲンキー富山小矢部RPDC=富山県小矢部市

 ゲンキー(本社福井県坂井市、藤永賢一社長)は7月21日、富山県小矢部市に新たに物流・食品加工拠点を開設した。トラック運転手の時間外労働の規制強化で物流危機が懸念される「2024年問題」も見据え、福井、石川県などの店舗までの輸送時間短縮や、複数あった拠点の一本化による物流効率化を図る。

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 新設した「富山小矢部RPDC(リージョナル・プロセス・ディストリビューションセンター)」は、敷地面積約2万6千平方メートル、延べ床面積約3万8千平方メートルの鉄骨造り3階建て。RPDCは、常温と冷蔵の物流センターと食品加工を行うプロセスセンターの機能を併せ持つ拠点で、19年に開設した岐阜県安八町に続き2カ所目。土地取得を含めた総投資額は約55億円。

 新センターは全409店舗のうち、福井と石川県、岐阜県飛騨・高山エリア内の約100店舗の物流を担う。これまで同エリアは岐阜県安八町のRPDCと坂井市の物流拠点から主に運んでいたが、新センター整備により輸送時間短縮のほか、流通経路の統一を図る。トラックの積み下ろしまでの待ち時間を解消する予約システムも導入する。

 食品加工を行うプロセスセンターでは、低温管理を強化し鮮度の高い精肉の提供が可能になるとしている。炊飯機械を刷新し、サンドイッチの製造も始めるとしている。

 ゲンキーは現在、富山県内に店舗はないが、拠点新設で担当者は「中長期的には出店を検討したい」としている。

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