移動販売車「とくし丸」50台に 天満屋ストア 事業8年半で到達

天満屋ストアグループが導入した「とくし丸」の50台目の車両

 自動車が運転できないといった交通弱者の買い物支援に向け、天満屋ストアグループ(岡山市北区岡町)が導入している移動販売車「とくし丸」が24日、50台に達した。2015年1月の事業スタートから8年半で到達した節目の車両は、天満屋ハピーズ津島店(同津島桑の木町)に配備された。

 事業は、天満屋ストアが移動スーパー事業を全国展開する「とくし丸」(徳島市)とフランチャイズ契約を結んで始めた。20年には専業の子会社ハピーバラエティ(岡山市北区岡町)を設立して事業を移管。50台は「とくし丸」を手がける全国141社(計1129台)のうち2番目の規模といい、同グループは将来的に70台体制に拡大することを目指している。

 現在は岡山、広島、鳥取県内の29店に軽トラックを1、2台ずつ配置し、計約6千世帯をカバーしている。1台につき生鮮・加工食品や総菜、日用雑貨など約1200点を載せて過疎地などにも出向き、店頭表示に20円を加えた価格で販売している。1台当たり1日平均約11万円の売り上げがあるという。

 顧客には高齢者が多いことから見守り活動にもなる。岡山、倉敷など16市町と連携協定を締結している。

 津島店の車両は週5日のペースで約100世帯を巡回する。出発式が24日、津島店であり、天満屋ストアの野口重明社長が「今後もより良いサービスを提供するとともに、事業をさらに拡大させていきたい」と述べた。

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