【高校野球神奈川大会】Y校OBで元巨人の「鉄腕」山口さんが応援 プロ入り後、現地で初 自らの経験重ね合わせ

母校・横浜商業高の応援に駆けつけた巨人投手コーチの山口鉄也さん=横浜スタジアム

 24日に横浜スタジアムで行われた高校野球の全国選手権記念神奈川大会の準決勝。横浜市立横浜商業高(Y校)が、夏の大会では12年ぶり14度目となる「YY対決」で横浜高と相まみえた。伝統の一戦には大勢のOBや両校のファンら2万3千人の大観衆が詰めかけ、三塁側にはY校出身で、プロ野球・元巨人の山口鉄也さん(39)の姿もあった。

 2001年夏。エースナンバーを背負ってチームをけん引した当時3年生の山口さんは、準々決勝で横浜高とのYY対決を経験した。横浜高には横浜DeNAで活躍した荒波翔さん(BC神奈川・球団アドバイザー兼任コーチ)らと対戦し、1-5で敗れた。

 かつては甲子園常連だったY校と横浜高。しのぎを削ってきたライバル同士だが、山口さんは「Y校のエースになって横浜を倒す」と兄・大輔さんの背中を追ってマリンブルーのユニホームに袖を通し、甲子園を目指した。

 「(自分のときは)負けて、横浜高校が甲子園に行っている。そのときの雪辱を果たしてくれれば、OBとしてうれしい」と期待して訪れた山口さん。巨人時代に9年連続で60試合登板を果たした鉄腕は現在、巨人で1軍投手コーチを務めており、母校を現地で応援するのはプロの世界に入ってから初めてだった。「25年ぶりのベスト4に進出してくれたので、せっかくだから応援に来たいと思った」

 試合はY校が先制するも逆転負けを喫した。ただ、自らの経験も重ね合わせて「緊張せずに楽しんで」(山口さん)という願い通り、後輩たちは随所に好プレーも披露した。

 古豪復活を印象付けた今大会。試合後、市立菅田中時代の山口さんの恩師でもあるY校の菅沼努監督(63)は「このような所で野球ができることは幸せ」と感謝を口にし、「これが再び(盛り上がりの)スタートになれば」と話した。

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