スペイン連立交渉、難航必至 地元経済、EUに悪影響も

スペイン・マドリードの国民党本部前で旗を振る支持者ら=23日(ロイター=共同)

 【マドリード共同】23日投開票のスペイン下院(定数350)総選挙は右派、左派の両陣営とも政権獲得に必要な過半数に届かず、今後の連立交渉は難航必至だ。交渉が長期間にわたった末に再投票の可能性があり、不安定な政治情勢がスペイン経済やEUに悪影響を及ぼす恐れも懸念される。

 欧州メディアによると、両陣営による政権樹立に向けた交渉は8月17日の新議会招集後に開始される。国王フェリペ6世はまず、今回の選挙で第1党となった中道右派野党、国民党のフェイホー党首を招き、政権樹立を指示する。

 フェイホー氏が政権を樹立できなければ、第2党となった穏健左派の与党、社会労働党に同じ指示をする可能性がある。連立交渉が成功した場合、下院で首相の信任投票を実施する。

 法律で期限は定められていないが、最初の信任投票から2カ月以内に過半数を確保する候補者がいなければ、新たな選挙を行う必要がある。

 現段階で、国民党は極右政党ボックスなどと連立を組んでも過半数に届かない。左派も同じく過半数に達せず、連立政権の樹立は困難だ。

© 一般社団法人共同通信社