【WATCH的イケメン図鑑】Vol.57 ペドロ・パスカル

少女を守る人間味あふれるサバイバー役

世界的大ヒットゲームをドラマ化した「THE LAST OF US」で、主人公のジョエルを演じているペドロ・パスカル。本作の舞台は寄生感染症がまん延し、ゾンビ化した人間たちが徘徊している終末世界。そして、ジョエルの使命はずばり、ゾンビたちと戦いながらサバイバルしていくこと! その中で生まれる悲痛な人間ドラマが、物語を大いに盛り上げている。

そもそもパンデミックが起こる前は、建築関係の仕事をしながら一人娘と一緒に平穏な暮らしを送っていたジョエル。だが、ほどなくしてパンデミックが起こる第1話で、ジョエルはあまりにも痛ましい悲劇を体験することに。その悲劇のせいで心を閉ざしてしまったジョエルは世界が荒廃していくのとリンクするかのように、心を荒ませ、冷淡なサバイバーと化していく。そんな彼がやがてパンデミック終焉(しゅうえん)の鍵を握る少女・エリー(ベラ・ラムジー)と出会い、ある場所へ彼女を送り届ける任務を担うことになり…。

ジョエルほどすさまじい目に遭い、過酷な世界を生きていたらやさぐれていくのは当然で、時に傲慢(ごうまん)だったり、荒々しかったり、愚かだったりもするのが彼の人柄。まだ14歳のエリーに対しても割と容赦なく、2人の道中はヒヤヒヤハラハラさせられるものになっている。もちろん、サバイバル時代に生まれたエリーも生半可な意思の持ち主ではなく、ジョエルがああ言えばこう言い返す気は常に満々。ジョエルはエリーを無事に送り届けることができるのか? その過程で彼らは何を目にし、誰に出会い、何を思うようになるのか? 人間らしさ漂う2人が数々の経験を経て、たどたどしくも絆を深めていく展開が見どころとなっている。

ペドロ・パスカルといえば、近年はドラマに映画に大活躍で、「スター・ウォーズ」シリーズから誕生した「マンダロリアン」でも主人公の賞金稼ぎ、マンドーを魅力的に好演。同シリーズのヨーダと同じ種族であり、つぶらな瞳が愛くるしすぎる“ザ・チャイルド”ことグローグーの面倒を見るハメになっていた。エリーといい、グローグーといい、子どもと一緒に旅をさせられがちなのは、なんだかんだで面倒見抜群だから!? “少女のお父さん”をするジョエルも、“赤ちゃんのお父さん”をするマンドーも孤高キャラではあるが、かいがいしさの片りんが見え隠れしてしまうのがとてもよい。しかしながら、ほっこりするばかりではいられないのが「THE LAST OF US」の世界というもので…。ジョエルとエリーの悲痛な旅の先にあるものを、しっかりと見届けたい。

【プロフィール】

ペドロ・パスカル Pedro Pascal
1975年4月2日生まれ。チリ出身。多数のドラマにゲスト出演した後、大人気ファンタジードラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011~19年)のオベリン・マーテル役でブレークする。Netflixの大ヒットドラマ「ナルコス」(15~17年)には、メインキャラクターのDEA捜査官、ハビエル・ペーニャ役で出演。「スター・ウォーズ」シリーズの「マンダロリアン」(19年~)や「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」(21年~)では“マンドー”ことディン・ジャリンを演じている。映画出演作には、「キングスマン:ゴールデン・サークル」(17年)、「ワンダーウーマン 1984」(20年)などがある。

【リリース情報】

「THE LAST OF US<シーズン1>」
8月2日から4K UHD、ブルーレイセル、DVDレンタル開始

4K ULTRA HDコンプリート・ボックス スチールブック仕様(4枚組)/17,000円(税込) ※初回限定生産
ブルーレイコンプリート・ボックス(4枚組)/13,000円(税込)

発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

文/渡邉ひかる

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