英国で出会った「ダーク醤油」と「ライト醤油」使いこなせば食のレパートリーが広がるかも!?

去年からイギリス在住の筆者。日々、さまざまな文化の違いに驚いているが、今回はイギリスでの醤油事情について紹介したい。

和食…特に醤油の味に慣れ親しんだ日本人。昔、旅行などで海外を訪れる日本人は和食恋しさのあまり醤油を持参したという話を聞いたことがあるが、今やイギリスの大手スーパーでは日本、韓国、中国など東アジアの調味料が簡単に手に入る。近年は一般的なスーパーでもアジアの食品を取り扱うようになったそうだ。筆者も実際にスーパーで醤油含め、和食の食材を購入することがある。

日本でもおなじみ、キッコーマンの醤油

イギリスのスーパーで最もよく見かける醤油は日本でも有名なキッコーマン。しかし、値段が高い割に少量のため、代用品がないかと探したところ中華系の食料品棚にも醤油を見つけた。

どうやらスーパーで扱っている中国醤油には主にダーク醤油(老抽)ライト醤油(生抽)の2種類あるようだ。

スーパーには中国の醤油も

どのような違いがあるのか、広東出身でイギリス在住歴20年の主婦セミさんにお話を聞いた。

ーー広東料理でよく使われるソース系の調味料はなんでしょうか?

セミ:ダーク醤油、ライト醤油そしてオイスターソースです。私はよく広東料理を作る時にこの3つの調味料を同量、一つの料理に入れることが多いです。

ーー日本でも濃口醤油、淡口醤油などありますが、中国のダーク醤油とライト醤油はどのような違いがあるのでしょうか?

セミ:ダーク醤油はクリーミーで匂いが強い一方、ライトソイソースはさっぱりしている醤油です。昔、ダーク醤油しかなかった時に、クセの少ない醤油を作ると料理に使いやすいのではないかと考えられて作られたのがライト醤油です。よって今では中国の醤油は2刀流になったと聞いたことがあります。濃い色を料理につけたい時にダーク醤油を使うときもあります。

ーーダーク醤油はかなり濃厚で独特ですが、ライト醤油は日本の一般的な醤油と似ていると感じます。

セミ:似ていますが、個人的には日本の醤油はより誰にでも受け入れやすく、どれも甘くて、匂いも少ない気がすします。私は家で広東料理を作る際、料理によって日本の醤油も愛用しています。

ーーダーク醤油を使ったおすすめの料理はありますか?

セミ:ダーク醤油は焼きそば、炒飯、醤油鶏という鶏肉にダーク醤油と砂糖だけを加えて調理する料理に使うのがおすすめです。同じ料理でも日本の醤油をダーク醤油に変えるだけでいつもと違う味が楽しめるのではないでしょうか。

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イギリスで初めて知ったダーク醤油とライト醤油。今回の取材を通し、筆者も普段の料理に使う醤油の仲間を増やして使い分けてみようと思った。調べたところ、日本でも中華食材店でダーク醤油、ライト醤油は簡単に手に入るようだ。読者の皆さんも是非お試していただきたい。

(よろず〜ニュース特約・近藤リナ)

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