中国、秦剛外相を解任 習主席に痛手、後任に前外相

中国全人代の記者会見で憲法を読み上げる秦剛外相=3月、北京(共同)

 【北京共同】中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は25日の会議で、動静不明が続いてきた秦剛外相を解任する人事を決めた。国営通信新華社が伝えた。外相という要職を就任から半年余りで交代させるのは極めて異例。3期目の指導部人事を腹心で固め、秦氏を重用した習近平国家主席に痛手となった。中国は外交の立て直しを迫られる。

 全人代常務委員会は後任に前外相の王毅共産党政治局員を充てる人事を決定した。

 秦氏は2022年12月に外相に就任。新華社は解任理由や、兼務していた国務委員も解任されたかは伝えていない。

 秦氏は今年6月25日に北京でロシアを含む3カ国の高官と会談したのを最後に公の場に姿を見せなくなった。中国外務省は7月11日の記者会見で健康上の理由から秦氏は7月中旬のインドネシアでの国際会議を欠席すると説明。これと前後して、新型コロナウイルスに感染したとの報道や、女性問題で調査を受けているとの情報が伝えられた。

外国要人との会談に臨む中国の習近平国家主席(右端)、王毅氏(中央)、秦剛氏(左端)ら=2019年4月、北京の人民大会堂(共同)

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