8月4日はハシの日。神器として伝来する"お箸"とご縁の聖地・出雲とのつながり

毎日の生活に欠かせない「お箸」。古来より、お箸には神霊が宿るとされ、神様と人とをつなぐかけ橋となり、人々の命を健やかに育むと信じられてきました。

島根県出雲地方は、 旧暦10月、全国から八百万(やおよろず)の神々が集い、縁結びの会議が行われる「ご縁の聖地」。

そんなご縁の聖地・出雲では、傷んだり古くなったお箸をお預かりし、毎年8月4日(ハシの日)にお焚き上げをする文化があります。お世話になったお箸にこれまでの感謝を伝え、新たなご縁を結びませんか。

「お箸」は出雲が発祥の地!?神話から紐解く箸のルーツ

国譲り神話の舞台となり、古くから日本神話ゆかりの地とされてきた出雲地方。今でも、出雲大社をはじめ多くの古社や神代の面影を残す風景や場所、祭礼行事が多く知られています。

古事記や日本書紀には、出雲地方を舞台にした神話が数多く記されていますが、"お箸" が初めて登場するのも出雲神話。出雲地方とお箸には深い繋がりがあります。

出雲神話の世界。お箸の縁で結ばれた二人

お箸が初めて登場するのは約1300年前の日本最古の歴史書「古事記」にみえる「ヤマタノオロチ伝説」。 スサノオノミコトが、斐伊川の上流から流れてくる「お箸」を見つけ、不思議なご縁に結ばれてクシナダヒメと出会います。そして、あのヤマタノオロチを退治して2人は結婚し幸せに暮らすという有名な出雲神話です。

この神話から「お箸」は出雲が発祥の地とも言われています。雲南市の "八俣大蛇(ヤマタノオロチ)公園" には「箸拾いの碑」が建っています。

「お箸」は神と人とを結ぶもの

日本人は古くから、目には見えない自然の中のあらゆるモノに神様が宿るとし大切にしてきました。お箸もそのひとつで、はるか昔は「神の器」として神様やご先祖に食べ物をお供えする道具として使われていたそうです。

今では、日々の食事だけではなく、お食い初めや結婚式など人生の大切なシーンでも使われ、神様からの恵み(食べ物)と人とを結ぶ尊いものとされています。

そのため、傷んだり古くなったお箸をそのまま捨てることは望ましくありません。

箸に感謝を!8月4日はハシの日

8(ハ)月 4(シ)日は語呂合わせから「ハシの日」として記念日に制定されています。毎日の食事に欠かせないお箸への感謝を表すことを目的に、2014年(平成26年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。出雲では、毎年この日に「御箸感謝お焚き上げ祭」を執り行っています。

- お箸の替え時、捨て方 -

● 年に一度は新調を

折れたり、欠けたりしない限り買い替えは必要ないと思われそうですが、一般的には寿命は1年程度。 普段から使うものは、お正月に新調すると良い一年になると言われています。

● お箸の捨て方

古くなったお箸を、そのままゴミ箱に捨てることに戸惑うこともあるのではないでしょうか。 最もよい方法は、神社や寺院にて「お焚き上げ」していただくことです。ゴミ箱に捨てる場合は、白い紙の上に箸をおき、塩で清め包んで捨てると良いでしょう。感謝の気持ちも忘れずに。

ご縁の聖地・出雲で「御箸感謝お焚き上げ祭」

出雲地方では、全国から傷んだり古くなったお箸をお預かりし、毎年この「8月4日(ハシの日)」にお焚き上げをする神事が執り行われます。

ご縁の聖地・出雲で、お世話になったお箸に感謝を伝え、新たなご縁を願うお祭りです。

神在月 神等去出(からさで)のやしろ 「万九千神社(まんくせんじんじゃ)」

お焚き上げ祭は、神在月※ で出雲地方に集まった神々が最後に立ち寄る神社『万九千神社』にて行われます。

神々はこのお社で、ご縁にまつわる会議の締め括りと直会(なおらい)という宴を催された後に、それぞれの国へとお帰りになるとされています。

直会とは「神様の宴」のことで、人々が「打ち上げ」をするように、神々もお酒で和むひとときを過ごされるのです。この直会にもお箸は欠かせません。

直会をモチーフにした巨大絵馬もあるのでぜひ注目してみてください。

※ 神在月とご縁の聖地

旧暦10月、全国から八百万(やおよろず)の神々が出雲に集い、縁結びの神議り(かむはかり)が行われることから、この地方では10月のことを「神在月(かみありづき)」といいます。縁結びとは男女の仲を結ぶというだけではなく、人が幸福な人生を送るために必要な全てのヒト・モノ・コトを「つなぎ、結ぶこと」を意味しています。

この出雲地方が「ご縁の聖地」と云われる由縁です。

「神在祭」についてはこちら≫

新たな出雲の文化「御箸感謝お焚き上げ祭」

近年は全国からたくさんのお箸が納められ、出雲の新たな文化として定着しつつあります。

神事では、命を育んでくれたお箸に感謝し、新しいご縁を結ぶ願いを込めてお焚き上げされます。当日は、お焚き上げ神事のほか出雲神楽の奉納もあり、特別参列の方(予約制)はもちろん一般の方も参列することができます。

お箸発祥の地、そしてご縁の聖地である出雲で、お世話になったお箸にこれまでの感謝を伝え、新たなご縁を祈願しませんか。

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■ と き | 8月4日(ハシの日)

■ ところ | 神々の宴と旅立ちの社 万九千神社(出雲市斐川町併川258)

■ 祭次第 |

午後6時~ お焚き上げ神事 七座より「清米(きよめ)」の舞

午後7時~ 出雲神楽奉納 神能より「八戸(やと)」など

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万九千神社 公式サイト≫

【お箸のお焚き上げ申込方法】

申込方法は3種類!

※プラスチック製・金属製のお箸はお受けできません。

■ お焚き上げ祭に参列する方

①当日、万九千神社に持参

どなたでも参列・拝観できます。指定座席での特別参列をご希望の方は、こちらの【特別参拝御案内状】をご覧のうえ事前申し込み(先着20名)が必要です。

特別参拝の方には、御祈念されたお箸を特別授与!

■ お焚き上げ祭に参列できない方

②御箸 おかえり箱に投函(通年受付)

箸専門店『出雲大社神門通り ひらの屋』に設置してある「御箸 おかえり箱」に直接お持ちください。

③郵送(通年受付)

専用の「おかえり箸袋」または市販の封筒にお箸を入れて、下記までお送りください。

\---------------【郵送先】---------------

縁結び箸ひらの屋 平田本社

〒691-0001 島根県出雲市平田町991

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※「おかえり箸袋」は、指定の宿泊施設をご利用になった方・ひらの屋で縁結び箸をお買い求めになった方に配布されています。

※市販の封筒の郵送代は、お客様のご負担となります。

【先着200名様】ご縁箸(1膳)&おかえり箸袋をプレゼント!

出雲エリア(島根県松江市・出雲市・安来市)に関するアンケートにお答えていただいた方先着200名様に、ご縁箸(1膳)&おかえり箸袋をプレゼントしております。ぜひご参加ください!

▶アンケート応募はこちら(GoogleForm)

万九千神社

〒699-0615 島根県出雲市斐川町併川258

*この記事は2023年7月時点の情報を基に作成しています。

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ライター:(公社)島根県観光連盟

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