内部告発者の証言改ざん ビッグモーター保険金不正

自動車保険の保険金不正請求に関する記者会見で、謝罪するビッグモーターの兼重宏行社長=25日午前、東京都港区

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険金の不正請求問題で、不正を内部告発した工場従業員の証言が、当初の「工場長からの指示があった」から「指示はなかった」と改ざんされていたことが25日、分かった。複数の関係者が明らかにした。損害保険ジャパンはビッグモーターの改ざんを把握しながら、停止していた取引を再開していた。

 不正請求問題は25日、創業者の兼重宏行社長(71)と長男の宏一副社長(35)が26日付で引責辞任する事態に発展した。兼重社長は自身を含め経営陣の不正への関与はないと断言したが、改ざんが明らかになったことで疑義が生じかねない状況だ。国土交通省は26日午後、同社への聴取を実施し、監督官庁による実態解明が本格化する。

 工場従業員から内部告発があったのは2022年1月ごろ。工場長からの指示で自動車修理代を水増しするため、車体を傷つける行為などがあったとの内容だった。

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