笠岡市、議員報酬引き下げ案提出 臨時会 全会派も発議、異例の展開

笠岡市役所

 笠岡市の小林嘉文市長は25日に開会した臨時市議会で、市議の月額報酬を50万円から市審議会の答申に沿った45万円に下げる条例改正案を提出した。地方自治法に基づく市民団体の直接請求を受けた対応。答申額を超える増額に反対運動が起こっていた。議会全4会派も答申通りに改める条例改正案を発議し、同趣旨の改正案が双方から出される異例の展開となった。

 両案は8月7日の本会議で採決予定。全議員17人のうち15人を占める4会派の案が可決される公算が大きい。会派案を発議することで自発的な対応をアピールする狙いもあるとみられる。

 小林市長は賛成意見を付け、団体案の提案理由を説明。会派案の説明に立った創政みらいの天野喜一郎氏は「(報酬増額に)市民の理解が得られなかったと受け止めている。一人一人の思いに真摯(しんし)に応えたい」と述べた。

 議会は2020年4月の改選時に定数を2減し、報酬を8万円増の50万円に改定。同時に始めた10%カットの措置を今年3月で終了した。団体は法定数を超える1603人分の署名を集め、今月18日に直接請求した。

 臨時会では、6月定例会の議案採決で起きた議長の宣告ミスを受け、正副議長の報酬額を1カ月間10%カットする議員発議の条例案を全会一致で可決した。

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