社長辞任に「不正の再発防止を」 不安の顧客らが店舗へ

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題は25日、同社社長が辞任を表明する事態に発展した。従業員は言葉少なだったが、報道を受けて店舗を訪れた客や取引先からは「しっかり再発防止を」「上に忖度する体質があったのでは」などの声が上がった。

 「不安になって来た」。前橋市の40代女性は、翌日に予約した車検の料金などの説明を聞くため、前橋店を訪れた。娘が2年前に同店で新車同様の中古車を購入。昨年のオイル交換時に「中の機器がさびている。薬品を塗るなら今しかない」と言われた。

 女性は「買ってすぐなのに、さびてると言われても。オイル交換も本当にしたのか」と不信感を抱いたという。

 東京都多摩市の多摩店では、従業員らが展示された車にホースで水をかけて洗ったり車体の状態を確認したりしていた。取引先として10年以上の付き合いがあるという60代の男性は「オーナー企業で上に忖度するような体質があったと思う。現場の多くは根が真面目な人たちなのに…」と表情を曇らせた。

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