みんなの保護猫物語〜むいちゃん・ひーちゃんとの出会い〜

まるで姉弟のようにそっくりな猫達!

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今回の主役は、キジトラのむいちゃんとひーちゃん。リアルなきょうだいではないけれど、外見がそっくりなのです!あまりに似ているため、飼い主さんと2世帯住宅で暮らしているお義父様、お義母様ですら見分けが付きにくいのだそう。

「赤みがあってふっくらしているのがむいちゃん、黒っぽくてシュッとしているのがひーちゃんです」と教えてもらいました。

ちなみにむいちゃんは現在2歳半過ぎの女の子で、本名は武蔵ちゃん。ひーちゃんは2歳の男の子で、本名は飛燕ちゃんといいます。むいちゃんは、“通称ねこおばさん”と呼ばれる飼い主さんのご近所さんがお世話をしていた猫が産んだ子猫だそう。

しかし母猫とはぐれてしまったのか、ひとりで飼い主さんのお家の周辺に来るようになったそうです。朝から晩までうろうろとする様子を見ていた飼い主さんのご家族は、「うちに執着しているように思えた」と振り返ってくれました。

最初のうちは、ねこおばさんのお家に戻れるように手助けしていたといいます。しかし、むいちゃんは何度もお家を訪ねて来たのだそうで……?

「夜になってリビングの窓の網戸に飛びかかって『入れてくれ!』という気迫に負けたのか、息子がとうとう折れて招き入れました」

実は、飼い主さんご自身はお仕事に出ていて、一連の話のほとんどはご家族から伝え聞いていたのだそう。むいちゃんがお家の子になったことも、息子さんからの連絡で知ったそうですよ。

「仕事終わりに『子猫の餌を買ってきてくれ』と息子から連絡があったときは、何の話!?と大混乱した記憶があります。いきさつはその時電話で聞きました」

あまりに唐突な出来事に困惑する飼い主さんでしたが、いざ対面してみると「かわよい」と虜になったと語ってくれました。そして、当時のむいちゃんは風邪を引いていて、お鼻がぐちゃぐちゃだったと教えてくれました。

この後、遅くまで営業しているドラッグストアに向かったという飼い主さん。急いで子猫用のミルクやご飯を購入したそうです。ちなみにむいちゃんは、初めて迎えた猫だったそうですよ。

飼い主さんはこれまで見ていた保護猫動画を参考に、むいちゃんが風邪を引いた状態であることや虫が心配であることを察したそう。翌日、動物病院を受診するとお腹の中には虫がいたそうで……?

「虫下しの薬を飲んでから暫く白くて長い物体と格闘していました」

実は、病院から帰宅する際にケージも購入したそうですが、あまりに中で過ごすことはなかったといいます。

「とにかく甘えん坊で、寂しいやらなんやらかとにかく鳴くので、家に居るときは常に一緒にいました」

寒い季節だったこともあり、一緒にお布団に入って寝ていたそうです。特に腕枕がお気に入りだったそう。「潰さないように寝るという体験を息子以来久しぶりに体験しました(笑)」と語ってくれました。

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ひーちゃんは、配偶者さんのお知り合いの家で生まれた子だったそう。そして、里親さんを探す際にお声がかかったのだとか。

「ちょうどむいちゃんの遊び相手にもなるかなーと迎え入れました」と教えてくれました。

ひーちゃんを含む子猫達に会いに行った際、「病気もなく綺麗なお顔の子たち」という第一印象を抱いたという飼い主さん。しかし、ゆっくり対面している余裕はなかったといいます。

「親猫が怒るからという理由で、数分で初対面からの引き取りだった」と振り返る飼い主さん。まるでジェットコースターのようにスピーディーな顔合わせだったと語ってくれました。ひーちゃんを迎える前には、先住猫がいる動画を見て勉強したという飼い主さん。動物病院から帰宅した後、むいちゃんとの対面についても配慮しようと対策を考えていたそうです。

しかし実際には、予想外の展開を迎えたそうで……?

「むいちゃんと対面してしまいました。相性というか、双方とも穏やかな性格だったのか、どちらもシャーすることはありませんでした」

これは仲良くなれそうと手応えを感じた飼い主さんは、ひーちゃんをすぐにケージから出してあげたそうですよ。

「ちょっと大人になったむいちゃんと、ぺしょぺしょ赤ちゃんのひーちゃんのわちゃわちゃを家族でニコニコしながら眺めていました」

お迎えした経緯はそれぞれ違えど、どちらも慌ただしいお迎えとなったむいちゃんとひーちゃん。まるで姉弟のようにそっくりなふたりは、甘えん坊で愛らしい猫さんへと成長したのでした。

しっかり者のお姉さんとヤンチャな弟分!!

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むいちゃんとひーちゃんは年齢が近い子達ですが、むいちゃんにはお姉さんのプライドがあるのだとか。

「わたしお姉さんだからひとりでいるのが好きなの。でも、本当は甘えたいからひーちゃんがいないところでこっそりね」と密かに甘えるのだそう。「寝起きがとてもかわいくて、お昼寝の後に寝ぼけてお膝に乗ってきて甘々してきてたまりません」と語ってくれました。

一通り気が済むとスンッとお腹を蹴って降りて行ってしまうそうですが、今でも腕枕を要望することがあるのだそう。それが嬉しくて嬉しくてたまらないのだとか。やはり満足すると布団から出てしまうそうですが、それまでは顔が毛だらけになるほど撫でてあげるそうですよ。

ひーちゃんはというと、とにかく甘えん坊で食いしん坊で暴れん坊なのだそう。「さみしー!ねむーい!といれいくー!ごはーん!虫だ!!!!とよく鳴く、典型的ないつまで経っても子猫な男の子です」と教えてくれました。

息子さんからの情報によると、いたずらっ子なひーちゃんをむいちゃんが指導することがあるそうで、「壁をガリガリしていたところ、むいちゃんに叱られていた」と教えてくれました。

むいちゃんもひーちゃんも、爪とぎ以外の場所を引っ掻くことはないそうです。また、むいちゃんがひーちゃんをそれとなく叱る場面は他にもあるようで……?

「何かいたずらをして私が叱るとむいちゃんがやってきて『またいたずらしたの!?』という感じで更に叱られています」

更にひーちゃんのいたずらエピソードには続きがあるのだそう。

お腹がいっぱいのはずなのに蓋付きのゴミ箱を漁り、自分のおやつを食べたりするそうですよ。飼い主さんいわく、いたずらが始まると目が離せない子なのだとか。

日々のハラハラがある一方で、「休日の昼寝、夜の就寝時は一緒にねんねが大好き」だというひーちゃん。可愛らしい甘えん坊っぷりも発揮しているそうですよ。そんなひーちゃんやむいちゃんがいる賑やかな生活は、飼い主さんと配偶者さんにある変化をもたらしてくれたといいます。

「夫婦での会話がほぼ無かったところにやってきた子猫、少しだけ夫婦仲が良くなった気がしました」

また、全寮制の学校に通っている息子さんは、GWの帰省時に猫に忘れられてないか心配だったと打ち明けていたそうです。「次の帰省には忘れられていないといいのですが(笑)」と語ってくれました。

最後に「元来、動物と出会うことはご縁だと思っています」と語る飼い主さん。保護猫であるむいちゃんとの出会いについては「最大のご縁でした」と振り返ってくれました。

秋に保護されたむいちゃんに対して、「これから寒くなって死んじゃうところだったね」と語っていた獣医さんの言葉に胸を打たれたそうです。

だから飼い主さんは、「ペットショップという選択肢もありますが、暑さ寒さで苦しむ猫ちゃんがいること、増えてしまうことを知ってほしい」という思いがあるのだそう。

「保護猫を迎えることが困難な状況もあることは承知しています」としたうえで、「どこかで(保護猫ちゃん)のご縁が繋がりますように」と願っているそうです。

そして、「ご縁が繋がったら、お外で不慮な事故に遭わないようお家の中で過ごさせてください」と語る飼い主さん。過去にむいちゃんが脱走してしまったそうで、「怪我をしていないか、道路に出ていないか」と心配が絶えなかったといいます。現在では策を講じ、脱走することはなくなったそうですよ。

飼い主さんは日々、「道路わきで亡くなっていたりする猫ちゃんがこれ以上増えませんように」と祈る思いでいるそう。これからもむいちゃんとひーちゃんは、優しい飼い主さんとご家族に囲まれながら楽しい猫生を過ごしてくれることでしょう。

むいちゃん、ひーちゃん、飼い主さん、素敵なエピソードをシェアしてくださり、本当にありがとうございました!

※この記事は、取材協力者さまのご了承をいただいたうえで制作しています

取材/ねこちゃんホンポ編集部
文/めろんぱん

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