電車を動かす電気は電線からレールまで流れている!電線に止まっている鳥はなぜ感電しないの?【図解 鉄道の話】】

電車には電流が流れるルートがある

電気というものは、電流の流れる道筋(回路)がないと流れることはありません。たとえば、よく電線に平然と止まっている鳥。電気の流れるものに触れても鳥が感電しないのは、それ以外のものに触れていないからです。もし片足がほかの電線に触れていたり、電柱に触れていたりすると、電気の逃げ道ができてしまうので感電します。電気を流すにはいろいろと満たすべき条件がありますが、電車はどのように電気を流しているのでしょうか?

まず、発電所でつくられた電気は変電所を経由して、架線という電車に電気を流すための電線を通っていきます。そして、電車の屋根部分に設置されたパンタグラフと呼ばれる装置が、架線から電気を車内に取り込みます。取り込まれた電気はモーターを制御する装置や、車内の照明・空調の電気元に流ます。そのあと電気はモーターに伝わり、それによって車輪が回り、電車が動くのです。また、車輪は地面のレールと接触しているので、電気は車輪からレールを経由して変電所へと帰っていくという流れがあります。電車は、このように電気を取り込み、そして逃すルートが確保されており、それによって動かすことができるのです。

電気は抵抗大→小へ流れる

両足で同じ電線に乗っている場合

電流は電線にしか流れず、感電することはありません。これは鳥の電気抵抗のほうが電線(金属)の電気抵抗よりも大きいためです。

体の一部がほかの電線に触れた場合

鳥の体の一部がほかのものへと触れたときは、電流が鳥の体内を通り、違うものに抜けていくルートができるため、鳥は感電します。

電車は電流が流れるルートがあるから動く

①変電所から架線(電気線)に電気が送られる

②パンタグラフから車内に電気が入ってくる

③入ってきた電流の大きさや向きを整える

④照明器具やサイネージ、空調設備等にも電気が行き届く

⑤整えられた電流がモーターへ、さらにレールへと届く

⑥レールを通って変電所へと戻る

電気は、変電所から架線へと送られた電気が車体へ届き、レールを伝って変電所へと戻るルートをたどります。電気の入り口と出口があるため、スムーズに電流が流れ続けるのです。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』綿貫 渉

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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 鉄道の話』
綿貫 渉 著

通勤・通学、旅行・おでかけ…私たちは普段何気なく電車や駅を利用していますが、なぜ安全に時間通りに運行できるのか、遅延や事故・トラブルの際はどう対処しているのか、意外と知らないことも多い鉄道の話。本書では、今さら聞けない基本的なしくみから、知るほど面白い鉄道の歴史まで、図解やイラスト付きでわかりやすく解説します。

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