ウェブ、農体験…食品値上がりに納得 農水省、消費者へ発信

農水省は、食品の適正価格の意義を消費者にアピールするプロジェクトを立ち上げた。特設ウェブページを25日に公開。生産コストの上昇など、食品値上がりの背景をインターネットを通じて発信する。夏休みの親子向けの農業体験で、生産現場の実情に触れてもらう試みも予定する。

「フェアプライスプロジェクト」と題し、食品供給を続けるにはコストを反映した販売価格が必要だと訴える。生産・販売・消費の3者とも納得できる価格の実現を目指す。

同日はプロジェクトの理念を表現した2分間の動画を公開した。今後、農業者がコストの動向や効率化の取り組みを語るインタビュー動画を掲載する。

消費者が生産現場を訪れる農業体験にも着目する。参加する子ども向けに絵日記の書式を提供。会った農家に販売価格などの話を聞き、夏休みの自由研究にするよう提案する。8月20日には千葉県で酪農体験のイベントを開く。

同省は食品事業者間の適正な価格転嫁などを呼びかけてきたが、「最終的には消費者に理解が浸透しなければ難しい」(新事業・食品産業部)とみる。政府の農政方針「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」では、価格転嫁の仕組みづくりを掲げている。

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