■社2ー1神戸国際大付
悔しさを知る選手は強い。社のエース高橋は、準決勝にして今夏初完投。「逃げずに投げられた。できすぎなぐらい」。粘投132球。1失点に抑え、爽やかに笑った。
四回以降、毎回得点圏に走者を背負いながらも地に足がついていた。今夏は3、4回戦に登板したのみ。「きょうは自分が主役」。延長タイブレーク、最後は春以降一番こだわってきた直球で打たせて取り、女房役の西垣も「ギアが上がっていた」とうなずいた。
クールな背番号1は昨夏の兵庫大会で先発の一角を担いながら、甲子園大会でメンバー外に。今春、初めて挑んだ聖地のマウンドでは8回を投げて5失点。「本来の力を出せなかった」。悔しさを糧に体づくりに励み、昨夏は最速135キロだった球速が143キロにまで伸びた。
「甲子園に戻らないと悔しさは晴らせない」。再びの聖地まであと一つ。負けるわけにはいかない。(長江優咲)