峠三吉・栗原貞子… 原爆文学資料をユネスコ「世界の記憶」に 市民団体が3度目の申請へ 大田洋子「屍の街」を新たに加えて

被爆直後からしたためた作家たちの思いを「世界の記憶遺産」として残してほしいと、市民団体が、ユネスコの登録に向けて国内申請の手続きに入ると発表しました。3度目の挑戦となります。

「広島文学資料保全の会」は、ユネスコ「世界の記憶遺産」に推薦される国内候補の選定を目指して原爆文学資料を申請します。

申請するのは、「グラウンド・ゼロの記憶 被爆作家の8月6日の記録」と題された、栗原貞子、原民喜、峠三吉、そして大田洋子の4人の自筆資料6点です。

原爆文学資料は、2015年と2021年の2回に渡って広島市と共同で申請しましたが、国内候補には選ばれませんでした。

今回は、2回目の申請の後、新たに遺族から希望のあった大田洋子の「屍の街(しかばねのまち)」の自筆原稿を加えています。

広島文学資料保全の会 土屋時子 代表
「(4人が)原爆の悲惨さを作家・詩人の使命として書き残していかなければならないという思い、一心で残したこれらは記憶でもあり、記憶なんだと」

国内申請の締め切りは8月28日で、今回も広島市が共同申請する予定だということです。

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