知床観光船事故 学識経験者は「人災に近い」との見解

去年4月、知床半島沖で観光船が沈没した事故できょう、国の運輸安全委員会による意見聴取会が開かれ、識者から「人災に近い」との指摘が出されました。

意見聴取会は事故調査を進める運輸安全委員会が開き、学識経験者など5人が意見を述べました。東京大学大学院教授の中尾政之氏は「失敗学」の観点から組織的原因と技術的原因に分けて説明しました。

(東京大学大学院・中尾教授)「組織的原因としては社長で、組織運営不良があった。つまり人災に近い。(技術的原因は)報告書を見る限りはっきりしていてハッチが調整不足で水密でなかった」

また、東京海洋大学名誉教授の矢吹英雄氏は船の安全管理体制や船長の運航能力について意見を述べました。

(東京海洋大学・矢吹名誉教授)「避難港に避難しておけば事故を未然に防ぐことができた可能性がある。避難することなく航行を続けた船長の判断に重大な問題があった」

運輸安全委員会はきょうの意見聴取会の内容を踏まえ最終報告書をまとめます。

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