岩戸神楽4年ぶり奉納へ 小林に唯一現存、練習に熱

練習に打ち込む岩戸神楽保存会のメンバー

 小林市で唯一現存する岩戸神楽が30日、同市堤の岩戸神社で奉納される。コロナ禍で4年ぶりの開催で、岩戸神楽保存会(田原治男会長)のメンバーは熱のこもった練習を続けている。
 岩戸神楽は同神社で約300年継承され、五穀豊穣などを祈願して舞われる。現在は同神社の祭神タヂカラオノミコトにちなんだ「天の岩戸開き」、真剣を用いた「剣の舞」、なぎなたを使った「長刀の舞」の3番が奉納されている。
 奉納に向けた練習は今月中旬から、岩瀬公民館で行われている。4年ぶりのため、中には動きの一部を忘れてしまった人も。それでも繰り返すうちに思い出し、足の運び方や体の向きなどを確認していた。
 田原会長(79)は「ぜひ多くの人に見てもらい、地域の伝統芸能が舞い継がれている素晴らしさを感じてほしい」と話している。
 30日は午後6時半からの神事に続いて神楽が奉納される。同市野尻町出身の曲芸師・仙若さん(55)による「江戸太神楽」の披露などもある。

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