10月28日から奈良博で正倉院展 初出陳6件含む59件

第75回正倉院展に出陳される「平螺鈿背円鏡」(宮内庁正倉院事務所提供)

 奈良市登大路町の奈良国立博物館は26日、第75回正倉院展の概要を発表した。会期は10月28日から11月13日まで。聖武天皇遺愛の品を大仏にささげた目録「国家珍宝帳」の筆頭に掲げられた「九条刺納樹皮色袈裟(くじょうしのうじゅひしょくのけさ)」をはじめ、初出陳6件を含む宝物59件を出陳する。観覧には事前予約制の「日時指定券」の購入が必要で、昨年より来場可能者数を増やし最大13万人の動員を想定。当日の同館観覧券売場での販売はない。

 「九条刺納樹皮色袈裟」(幅253センチ、縦147センチ)は、刺し子縫いの袈裟で聖武天皇の仏教へのあつい信仰を象徴する屈指の名宝で1999年以来の出陳。色とりどりの絹の断片を細かく縫い合わされている。樹木の皮のような風合いは「樹皮色」と称される。 

 「平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)」は、背面を螺鈿や琥珀の花文様で飾った大型の銅鏡。地の部分に砕いたトルコ石を散りばめた豪華でデザイン性が高い一品。

 このほか、サイの角の杯「犀角杯(さいかくのつき)」や螺鈿飾りの四絃琵琶「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめらでんのそうのびわ)」なども公開される。

 開館時間は午前8時〜午後6時、金土日曜日と祝日は同8時まで。日時指定券は10月5日午前10時から、ローソンチケット、CNプレイガイド、展覧会オンラインチケットで販売する。観覧料は一般2000円、高校・大学生1500円、小中学生500円。レイト割は500円引き(月〜木曜日は午後4時以降、金土日曜と祝日は同5時以降)。

 問い合わせは、ハローダイヤル050(5542)8600。

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