農協観光×JAL 合同農業研修実施へ 収穫体験通し旅行商品を開発

農協観光と日本航空(JAL)は26日、農泊ツアーや援農事業を組み入れた旅行商品の開発に向け、合同で農業研修を始めると発表した。両社の社員が、現地で野菜の収穫体験や直売所の視察などを通じて地域や農業の魅力を掘り起こし、観光資源としての活用方法を探る。8月2日から兵庫県のJAたじま管内で初回の研修を開く。

両社は2022年7月に業務提携契約を結んだ。国内外に顧客網を持つJALと農協観光の強みを生かし、農村地域に人を呼び込む農泊ツアーや、労働力支援の拡大に向けた人材の育成・確保に取り組む。

こうした事業の具体化に向けて、合同研修を通じて、社員自らが農村の資源や魅力について学ぶ機会を増やす。

初回は、両社で地域活性化事業などに関わる社員12人が2日間の研修に臨む。

兵庫県豊岡市でピーマンの収穫を体験する他、JAたじまのピーマン選果場やカントリーエレベーター、直売所などを視察する。コウノトリとの共生などの環境に配慮した米作りについても学ぶ。

両社は業務提携契約で、地元JAの協力を得ながら農泊ツアーや援農事業の企画につなげる活動拠点「JJエリアセンター」の設置を進めている。

23年4月には、第1号を同市のJAたじま旅行センター内に設立した。今後拠点も増やしていく計画だ。

郡司凜太郎

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