世界が注目する新ブランドのアウトドアウォッチ ノルケイン「ワイルド ワン スケルトン」

創業からわずか5年だが、独自のコンセプトと技術ですでに世界的に高い評価を得ている時計ブランドがある。それがスイスのノルケインだ。今回はその最新モデルを紹介する。

創業から200年を超える老舗時計ブランドがいくつもある時計王国スイス。その一方で、毎月のように新しい時計ブランドも登場している。「伝統」の価値が重視される時計の世界では「ゼロからの起業」、つまり新ブランドを立ち上げて成功することは容易ではない。2018年に創業したノルケインは、この壁を乗り越え世界に羽ばたいた新しいスポーツウォッチブランドだ。

ノルケインの創業者でありCEOのベン・カッファーは1988年生まれの35歳。一流時計ブランドで経験を積んだ後、今から5年前にノルケインを立ち上げた。BLANCPAIN(ブランパン※スイスの時計メーカー)の復活・再生など数々の偉業を成し遂げ、時計ビジネスの世界では伝説的な存在のジャン・クロード・ビバー氏をアドバイザーに任命、高級時計ビジネスに45年以上も携わってきた創業者の父マーク・カッファーが取締役会のチェアマンを務めている。

また、BREITLING(ブライトリング)を40年近く所有していた一族のテッド・シュナイダー、スイス・アイスホッケー界のレジェンド、マーク・ストライトを取締役に迎えるなど、新ブランドとは思えない盤石な経営体制を確立。製品の技術もデザインも品質もハイレベルで、すでに母国スイスをはじめ、世界で高い評価と人気を得ている。

左)若きCEOのベン・カッファー。右)アドバイザーを務めるスイス時計界の伝説的経営者ジャン・クロード・ビバー氏

そんなノルケインの時計づくりの根底にあるのが「自然と触れ合うアウトドアライフでしか得られない特別な喜び」だ。2つの「N」を組み合わせたブランドロゴは、スイスの美しい山の頂がモチーフ。母国の美しい山や自然へのオマージュと、時計界で頂点を目指すという高い志が込められている。一言で表すなら「冒険を愛し、自分の可能性を信じて常に挑戦を忘れない」アクティブな人のための時計ブランドといえるだろう。

今回紹介する「ワイルド ワン スケルトン」は、3つのメインコレクションのひとつで、独自の世界観を追求する人のために生まれた「インディペンデンス・コレクション」のスペシャルモデルだ。

ケース素材には、大理石のような質感を持つ独自のカーボンファイバー複合素材「NORTEQ(ノルテック)」を採用。スイスクロノメーター検定協会(COSC)の精度検定に合格した自動巻きムーブメントを収めた軽量なチタン製のコンテナを、ラバーバンパーがガードしている。

NORTEQはノルケインの時計のためだけに開発製造された超軽量かつ超堅牢な素材で、文字盤とケースバックからサンドイッチしてボルト留めするという構造が特徴だ。重量はSS(ステンレススチール)ケースモデルの半分以下。同じケース構造を持つ「ワイルド ワン」の非スケルトンモデよりもさらに軽い78グラムで、5000Gの衝撃に耐える耐衝撃性を実現した。

「ワイルド ワン スケルトン」の構造図。右側が時計の表側、左側が裏側だ

実際に着用してみると、着けていることを忘れそうになるほど軽快そのもの。時計全体の差し色になっている明るいターコイズブルーのラバーバンパーとストラップは、海や山のリゾートファッションにピッタリだ。

さらにSSモデルと同様に、ケースの左サイドには、希望する文字を刻印できるNORTEQ製のプレートがセットされ、世界に一本だけのモデルにカスタマイズすることができるのもうれしい。また、スケルトンモデルなので機械式時計の真髄ともいえるムーブメントの緻密で規則正しい動きを、いつでも文字盤から鑑賞できるのも魅力といえるだろう。

アウトドアライフが大好きで、もっとアクティブに、もっと軽快に人生の「冒険」を楽しみたいという方におすすめしたい一本だ。

NORQAIN / ノルケイン
ワイルド ワン スケルトン 83万6000円(税込)

SPEC

  • ケース径:42 ㎜
  • 自動巻き、ノルディック(カーボン複合素材)&特殊ラバー&チタンケース、ミラネーゼパターン・ラバーストラップ、200m防水

Text : Yasuhito Shibuya

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