損保ジャパン、当局に虚偽報告か 不正指示「確認できず」

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の不正請求問題で、損害保険ジャパンが工場長による不正の指示があったと告発した従業員の証言が改ざんされたことを把握しながら、金融庁に「不正の指示は確認できなかった」と報告していたことが27日、分かった。虚偽報告の疑いがあり、損保ジャパンの外部弁護士が調査を進めている。

 損保ジャパンがビッグモーターに対し、事故車両の修理に伴う査定手続きを一部省く優遇措置を取っていたことも判明した。保険金額を決める上でのチェックが甘く、水増し請求を助長した恐れがある。

 不正の指示は工場従業員が2022年1月ごろ内部告発。損保ジャパンは出向者が携わったアンケートを通じ、告発者の証言を確認した。ビッグモーターから同年6月に受領した調査報告書で、告発者の証言が「工場長による不正の指示があった」から「なかった」に書き換えられていたことを知ったが、金融庁への任意の報告で「不正の指示は確認できなかった」と伝えた。

 損保ジャパンは「調査中のため回答を控える」としている。

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