韓国絶品グルメ30選商品コンテストを開催、JATA&KTOがソウル一極緩和&地方都市の訴求推進へ

開催期間は9月1日~11月30日

日本旅行業協会(JATA)と韓国観光公社(KTO)は9月1日、共同企画として「韓国絶品グルメ30選商品コンテスト」を実施する。韓国内のその地方でしか味わえない絶品料理を広く紹介し、韓国の地方都市の魅力を感じてもらうとともに、ソウル一極集中の緩和、高付加価値な旅を提供する企画で、100コース以上が販売される予定。2019年に制定した「韓国絶品グルメ30選」がコロナの影響で、各旅行会社の商品化が停滞していたが、再度利用することで、魅力ある韓国の「食」をアピールする。11月30日まで。

7月26日時点で合計16社22団体がエントリー

韓国絶品グルメ30選 ロゴ

同コンテストは、JATAのアウトバウンド促進協議会(JOTC)・東アジア部会における部会活動の一環としてKTOと共同で行うもの。

対象商品は、期間出発までの間の募集型企画旅行、受注型企画旅行、オプショナルツアー。商品条件は、韓国絶品グルメ30選を最低1カ所取り入れた商品で、専用ロゴを付した商品。

審査は、全ての旅行が終了後に速やかに行われ、12月中旬に表彰を行う予定。審査項目は、商品の魅力度、商品の告知方法の巧妙さ、実際の集客人数など。表彰では、韓国観光公社賞(1点)、日本旅行業協会賞(1点)、特別賞(2点)の計4商品が選出される。

7月26日時点では、合計16社22団体がエントリーしている。

日本旅行の上大信康部長「韓国の地方誘客、付加価値、消費拡大の起爆剤」

日本旅行海外旅行推進部の上大信康部長

同日に開かれた記者発表会では、日本旅行海外旅行推進部の上大信康部長が、韓国への渡航の現状について、「5月には韓国への旅行者数は48%超まで回復し、6月は70%近くまで回復している」と、回復が他地域よりも早く、全体の海外旅行(アウトバウンド)を押し上げているのが韓国であると強調した。

インバウンドが旺盛で、アウトバウンドと開きがでていることについては、「5月末時点では日本から韓国へは66万人だが、韓国から日本は258万人強と4倍の開きがある。訪韓の渡航者数をなんとか2019年レベルまでいち早く引き上げたい」と、同コンテストが双方向交流でのアンバランスの是正する取り組みの一つだと説明した。

コンテストの実施の経緯については、「2019年に韓国ワーキンググループで制定した韓国絶品グルメ30選だが、コロナで商品化が叶わなかった。本場の料理を現地で食べてもらい、よりお客様に価値をしってもらうことがソウル一極集中を解消するとともに、韓国の地方誘客の拡大、新しい付加価値、消費拡大につながる」と話し、多くの旅行会社に同企画への参画を呼び掛けた。

KTO金観美日本地域センター長「地方の雰囲気や特産食材で楽しむ絶品料理」

KTO金観美日本地域センターセンター長兼東京支社長

KTOの金観美(キム・グァンミ)日本地域センターセンター長兼東京支社支社長は、昨今の取り組みとして、日韓路線の回復と、韓国旅行を後押しするパスポートキャンペーン、両国の青少年交流の活性化事業などを紹介した。

韓国旅行の現状については、「第一歩として韓国へお越しいただきたい。楽しい海外旅行を思い出すきっかけになり、海外旅行の楽しさを改めて知る機会となる。今は、K-POPや韓流など、若い世代を中心に一番行きたい場所が韓国だと言われている。韓国人も日本の文化が好きで多くの人が訪れている。今こそ、双方向の交流の絶好の機会である」と述べた。

韓国絶品グルメ30選で選ばれたグルメについては、「30選のメニューは、韓国でも料理の元祖と言われる地域や、地元の人が薦める料理を選んでいる。本場で食べた方が、ソウル以上に地域の雰囲気や、特産食材を使った料理が味わえる」と、本場での食体験を薦めた。また、「私はソウル出身だが、私も知らない料理がまだまだある。料理はJATAのプロが選んだ30選であり、自信をもって薦められる」と期待した。

味噌と塩で絶品!焼いても美味しいウナギなど

金観美センター長おすすめの料理の問いには、①ウナギ②トッカルビ③コムタン④ユッケビビンバーを紹介した。

①ウナギ:味噌を付けて少し塩を入れて食べると絶品で、焼肉のように食べられる。日本ほど値段も高くない。

②コムタン:煮込み料理が多い韓国の中で、ぜいたくさと健康への良さが特徴。

③トッカルビ:ハンバーガーみたいな見た目であるが、炭の香りが広がる。お薦めの場所は光州。

④ユッケビビンバ:価格は1500円ぐらいで、鮮度のいい牛の赤身を手頃で食べられる。

KTOお薦めの3品 全州マッコリ、安東チムタク、テゲ(ズワイガニ)

KTO東京支社の姜熙珠次長

このほか、KTO東京支社の姜熙珠(カン・ヒィジュ)次長が味わってほしい3つのグルメを紹介した。

①全州マッコリ(全羅北道) 全州式のマッコリ定食は、韓国語でテーブルの脚が折れるというが、チジミ、野菜、豆腐など足が折れるほどのごはんが並ぶ。マッコリと全州の料理は相性が抜群。

②安東チムタク(慶尚北道) 春雨を一緒に煮込んだ料理。よく使う春雨は、一つサツマイモをベースにしており、日本のものよりこしがある。チャプチェは丸いものが多いが、同地域では中国式のような薄くて広いもを使い、一緒に煮込む野菜やタレの旨味を吸う。韓国では若い女の子が好きな料理で、追加で春雨を頼んでいる。チーズをのせたり、ご飯を入れたビビンバ風のスタイルも人気。

③テゲ〈ズワイガニ〉(釜山広域市) 釜山の機張(キジャン)では紅ズワイガニやタラバガニが楽しめる。雰囲気や衛生的に良い店が多く、現地では特別なカニ定食が楽しめる。ソウルではワタリガニのグルメが多いが、釜山では大ガニが魅力。

取材 TMS編集部 長木利通

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