日体大教授のボディビルダー・バズーカ岡田氏 藤沢五月を称賛、ネガティブな声には「伝えるべきではない」

「バズーカ岡田」の愛称で活躍する著名ボディビルダーで、日本体育大学体育学部教授の岡田隆氏が26日までに自身のユーチューブチャンネルを更新。ボディーメイクコンテストに出場し、大反響を集めたカーリング女子五輪メダリストの藤沢五月について言及。ネットニュースのコメント欄を挙げ、世間の反応を残念がった。

岡田氏は「コメント欄を見るとやっぱりな、というのが多いですね」と語り「前の方が良かった」「健康的じゃない」「痛々しい」などの声を取り上げ、「ツラいなと思いました」と感想を述べ、自身の考えを語り始めた。

SNSでの誹謗中傷がさまざまな問題を引き起こしている状況から、「当たり前のことなんですけどね」と、一方的な感想をネット空間に残す危険性を指摘。「藤沢さんは五輪を目指す中、短いオフシーズンに大会に出るということは、よほどやりたかったんじゃないかと思います。あそこまで体を仕上げるのは、かなり生活をコントロールしないと難しい。やりたいことでないとやらない。だから『前の方が良かった』と思ったとしても、伝えるべきではない。その人が好きでやっていて、誰にも迷惑をかけておらず、むしろ勇気を与えるポジティブな面の方が多いですから」と語った。ドーピングの危険性、カーリングへの悪影響を挙げる声についても否定的な見解を述べた。

自身がボディビル大会に臨む際も「前の方がいい」「気持ち悪い」さらに「健康的でない」という反応を受けたという。筋トレはダイエット、体型改善等とは異なり、スポーツの競技力向上を目指し突き詰めると、さまざまな点で不健康になりがちな状況を説明。柔道出身で、代表チームのトレーナーを務めた経験がある岡田氏は、柔道家の友人から「なんでそんなにバキバキに体を絞るんだ。やりすぎじゃないか」と質問を受けた際の状況を語った。

「(ボディビルは)競技スポーツですからやりすぎないと勝てない。もちろんやりすぎてつぶれたらダメですよ」と断った上で「柔道でも超トップ選手はどうしてそこまで人を投げるのがうまくなる必要があるんですか。大会で使うだけじゃないですか。野球やゴルフも同じ。そんなにボールを投げるのがうまくてどうするのか、そんなにボールを当てるのがうまくてどうするのか。競技で勝つためには、日常生活でほぼ使われないことを一生懸命やっている。ほとんどの人が達しないレベルだからら感動、価値が生まれる。やりすぎや不健康ということは、全てのスポーツの競技者にも当てはまります」と続けた。

筋トレの動機、目的は人それぞれで、個人の感想をわざわざ声に出す必要はないと語った岡田氏。「なぜかボディビル、体作りについては『不健康』『やりすぎ』といろいろ言われる。人が頑張ってやっていることに感想を述べる際は、注意をしてくれるとうれしいし、温かい世の中になればいいと思います。私は藤沢さんの挑戦は単純にすごかったと思います。五輪の競技を続けながら、あそこまで仕上げたことに、称賛を贈りたい。藤沢さん、お疲れさまでした」と結んだ。

(よろず~ニュース編集部)

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