真鶴でリコール投票へ 町長「署名は不正」と民意拒む姿勢

リコールの本請求を受け、会見で質問に答える松本町長=27日午後2時ごろ、真鶴町役場3

 真鶴町の選挙人名簿の不正利用問題を巡り、事態は松本一彦町長のリコール(解職請求)を問う住民投票の本請求に至った。出直し町長選で再選を果たした時の得票数を上回る署名が集まり、町民や議会からも辞職を求める声は強まるが、松本氏は自らの異議申し立てにより12人分の署名が無効とされたことを根拠に「リコール署名は不正」と周囲に漏らす。2350筆の民意を拒む姿勢に、町民からは「町の分断を招いているのは町長だ」との声が上がる。

 「これまでの流れの中で、こうなることは予想できた。民意であることは当然受け止めている」。本請求がなされた約1時間後、町役場で会見を開いた松本氏は、厳しい表情で受け止めを語った。

 当初集まった署名簿は2362筆。松本氏の異議申し立てにより12人分が無効となったものの、いずれも家族らが法令で認められた手続きを踏まずに代筆したもので、本人の意思と関係なく署名が“偽造”されたケースはなかった。

 それでも松本氏は「私を解職しようとする方々が署名を集め、手続き違反がないか厳密にチェックすれば、このようなことは起こらなかった」と主張。深まる町民同士の対立には「私は対立したくないが、対立したいと思っている一部の町民がリコール活動をしている」と批判した。

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